🔶梅雨の短い期間にしか食べられない、梅雨をモチーフとした和菓子がある。
🔶6月は閑散期にあたり、時間がある和菓子屋は、お客さんを魅せるため、本気を出してくる。
🔶面白いアイデアの和菓子が見られる可能性がある。
🔶新商品価格で、お手頃に購入できる場合がある。
🔶6月代表する京の和菓子「水無月」、梅雨空や紫陽花をモチーフとした生菓子を食べよう。
いつもご覧いただき、ありがとうございます!
和菓子職人のあんこまんです。
まず、この記事を書いた理由。それは・・・・
6月に和菓子を買って食べてもらいたいからです。
完全に和菓子屋の事情です。(笑)
6月というのは、和菓子屋が試される時期なんです。
GW、5月のかしわ餅が終わり、
夏休み前の梅雨の落ち着く時期。
夏休みに備えて、財布の紐も硬くなるでしょう。
かといって、人気の水羊羹など夏の和菓子を出すにはまだ早い。
雨で外に出るのも億劫。
気温と湿度は上がるが、食欲は下がる。
こういった理由から、だいたいの和菓子屋さんは、
和菓子が売れない問題に直面すると思います。
もちろん、秀逸な販促や大人気の和菓子があったり、
人々の心を惹き、繁盛している和菓子屋さんもあります。
でも、知ってもらいたい!!
お客さんに来てもらうため、喜んでもらうため、
和菓子職人も技術を結集し、本気を出して、菓子を作ります。
そんな和菓子食べてみたくはありませんか?
梅雨という短い期間、
ひょっとしたら幻と呼ばれる和菓子が誕生するかもしれません。
そんなに6月の和菓子ってのは、面白いのかい?
私の店の場合は、6月はね、1年の中で一番お客さんが少ないのよ。
全国的に閑散期と呼ばれる時期ですかもしれないです。
こういう暇な時はね、新商品を開発したり、お客さんに振り向いてもらうために、和菓子屋さんはけっこう頑張るんですよ。
普段から頑張れや
普段から頑張ってますよ。
たいていの和菓子屋さんはどうでしょうか?
閑散期は、いつも頑張っているスタッフの皆さん休んでもらったり。
棚卸や大掃除をしたり、有効活用していると思います。
しかし、守りの戦略ではなく、商品を開発したり、攻める和菓子屋さんは面白いですよ。
けっこう大胆な発想のお菓子とか見るかもしれないですね。
せやな。何かおもろいもんあるか
和菓子屋さん通った時は、少し覗かしてもらいますわ
こういう暇な時にね。
和菓子屋さんの真価が問われるだよね。
製造を早々に終えて、店頭で座ってぼけーっとお客さんを待っている受け身の和菓子屋さんと
創作・販促活動している和菓子屋さんとは明確な差がありますよ。
そんなことなので、
6月にしかないレアな和菓子は、どんなものなのか紹介していこうと思います。
お店によって変わり、毎年違う商品が出たり、
場合によっては、もう二度と見れない商品などもあります。
6月の梅雨の期間限定の和菓子たち
6月は、やはり王道の水無月をはじめ、
梅雨の「紫陽花」、梅雨明けの「青梅」を象徴した和菓子が
店頭に並びます。
水無月は、慣習に基づいて6月30日のみの限定販売もありえます。
紫陽花も青梅も旬の期間として短いので、そもそも作らない、取り扱わない和菓子屋さんもあります。
季節外れの和菓子が売れ残るのは、嫌がります。
そのリスクを承知の上で、作っている和菓子屋の姿勢は、同業者ながら、素晴らしいと思います。
水無月
6月を代表する和菓子と言えば「水無月」です。
水無月とは、暦上で6月を指します。
旧暦6月1日に氷を食べることで、来たる夏に備えて、
夏バテ・無病息災を予防する風習から来ています。
現在は6月30日に食べることが一般的です。
元々室町時代の宮中で行われていた行事でした。
この行事を行い暑気払いをしていたのですが、
当時は氷は高級品。庶民が入手することなど困難。
代わりに、氷をモチーフとした菓子を食べて、夏を乗り切ることにしたのです。
これが、和菓子「水無月」の始まりです。
三角形は氷を表わし、小豆は邪気、魔除けを表わします。
紫陽花をモチーフとした生菓子
紫陽花は雨の時も、雨粒がきらめき、美しい梅雨を代表する花です。
色鮮やかな紫陽花をモチーフとした和菓子は、美しく惹かれます。
花弁に雨粒が付いた表現、艶天や寒天を用いれば、梅雨の季節を感じます。
和菓子店では、錦玉羹や寒天などを応用して、作られます。
青梅をモチーフとした生菓子
初夏を感じさせる青梅は爽やかな香りがします。梅雨の後半に時期に最適な花です。
上生菓子として和菓子店で販売している店舗が多いです。
練切では、鮮やかな色のグラデーションを施した後、
青梅を形取り、筋を入れて窪みを付けます。
外郎でも、同じような手法で作られるでしょう。
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