和菓子職人と日本料理人が教える。「黒豆」の煮方。圧倒的に差が出ます。正月におすすめです。

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餡の職人が作ったとても美味しい餡です。 あんこまんもおすすめです!

職人の本気レシピ

この記事の結論

工程は少なくシンプル。浸透の為、時間が少しかかります。
ゆっくりじっくりで、仕上がりと美味しさに圧倒的に出る。

いつも当サイトを見てくれて本当にありがとうございます。

もうすぐ、お正月ですね。

正月と言えば、おせち。

おせち料理に欠かせない存在と言えば、「黒豆」

今回は、「黒豆のレシピ」を紹介します!

おせちに黒豆が入っている理由

諸説ありますが、一番有力なのが、まめ(豆)に元気にという願いや、無病息災を祈って食されることが多いです。

関東ではシワが寄るまで長生きできますようにと、あえて豆にシワが寄るように煮る傾向があります。
関西ではシワがない方が長生きだと考えられており、シワがな色艶のある黒豆煮が作られる傾向があります。
最近では、全国的にシワのない黒豆が好まれているようです。




正月休みは、楽にしたい。

そもそもおせちはそういうものじゃない?

でも、あえて美味しいおせちを作りたい。チャレンジしたい。

「うちのおせちは、他とは一味違うぜ。」感を出したい。



そんなあなたに、職人のレシピをご用意しました。


シンプルで、レシピも大差なさそうに見えるでしょ?

実はそういうものほど、差がでるもの。

一つ一つの工程の目的を理解し、丁寧に行うことで

市販のものとは比べ物にならない位の一品が出来ますよ♪



この記事はこんな方へおすすめ!

✅ 他と差をつけたい。プロに教えてもらいたい。
✅ コスパが良く作りたい。
✅ なるべく面倒でなくて、プロの味を出したい。
✅ プロが美味しくなる理由をわかりやすく説明してほしい。

まずは、黒豆について

黒豆とは・・「畑の肉」と言われる大豆の中の1つの種類です。皮が黒いのが特徴です。

おせち料理の定番のひとつである黒豆は、枝豆としても食べれます。栄養もあり、種類も豊富です。

はダイズ属やソラマメ属といった分類以外に、
野菜、穀物という食べ物としての分類もあります。
豆は野菜?穀物?
黒豆と黒大豆の違い、黒豆と枝豆の違いを解説します。

黒豆と黒大豆の違い

実は2つともは同じものです。黒豆の正式名称が黒大豆というわけです。
黒豆は平安時代には、栽培されています。
江戸時代後期には黒豆を砂糖・しょうゆで煮て、その煮豆が正月のおせち料理で振舞われたそうです。
現在、おせちの黒豆煮として食べることが一番多い。

枝豆として食べられることもある。

黒豆と枝豆の違い

収穫時期により、食べ物としての分類が変わります。
葉とさやが緑色で未成熟な状態の豆は「野菜」に分類。
成熟した豆を乾燥した状態で収穫して脱穀したものは「穀物」に分類。
つまり、枝豆は若い時期に収穫した大豆なので、「野菜」に分類。
よく見かける乾物の黒豆は「穀物」に分類されます。

魅力があって、どれにしようか悩む。黒豆の種類。

丹波黒大豆

一番有名なのが、丹波黒大豆です。
とにかく丸くて粒が大きく。安定した美味しさがある。日本料理のお店でよく取り扱われます。
種植えから収穫まで、手作業で行うことが多く、手間がかかり+希少性が高いので
値段は高めとなる。

完熟前に収穫したものは、甘くて美味しい枝豆として味わえます。
ちなみに大豆は紫色のきれいな花を咲かせ、約1か月で咲き終わるそうです

光黒

一番の特徴は、北海道で栽培されていることです。
寒さに耐えて、実った豆の表面には、他の品種とは違うピカピカのあざやな光沢があり、
煮崩れが少ないです。蒸したりしても「皮浮き」しづらく、
見た目が綺麗に仕上がります
取り扱いしやすいです。
肥料価格と、とにかく天候に左右されやすいので、年によって流通量・価格が大きく変動します。

雁喰

東北地方に根付いている「黒豆」です。
古くから受け継がれたその地域だけでしか収穫できない地大豆です。
希少性が高く、値段は高めです。
ですが、味がとても甘く、風味豊かで美味しいです。
真ん中にシワが寄ってます。「渡り鳥の雁がついばんでいるように見える」ので雁喰豆と呼ぶそうです。


玉大黒

長野県で開発され、北関東、北陸地方で栽培されている黒豆です。
「丹波黒豆」を信州の気候風土に合うように改良されています。
そのため、丹波黒豆譲りの甘み、しっとりした肉質が特徴です。
上品な甘みがあり、幅広い場面で活躍する煮豆におすすめの品種です。

黒豆の知られざる栄養パワー!
タンパク質

黒豆に含まれている栄養成分のひとつがタンパク質で、煎り黒豆100gあたりの含有量は36.4g。とても多い!!!

ビタミンB群

100gあたりの含有量は、ビタミンB1が0.12mg、ビタミンB2が0.27mg、ビタミンB6が0.41mg。
すっごい豊富!!!!

ビタミンE

黒豆に含まれている栄養成分のひとつがビタミンEで、100gあたりのビタミンE(αトコフェロール)の含有量は3.1mg。
酸化しない体になる!!!

ミネラル類

黒豆にはミネラル類も含まれており、100gあたりの含有量はカリウムが2100mg、カルシウムが120mg、鉄分が7.2mg。
極めて高い!!!!

アントシアニン

黒豆の種皮には色素として、アントシアニンが含まれている。

あんこまん
あんこまん

数ある他サイトのレシピの中から、選んで頂いて本当にありがとうございます。
このレシピは働いていた店のレシピや、既存のレシピを改良したものです。

すごい時短になったり、効率的ではないとところもあると思いますが、
それでもプロが実践していて、美味しくなる理論や科学を基に手間をかけております。
最新の情報ではないこともあるかもしれませんがご了承ください。

また、理論があっていれば、他サイトさんのレシピでもできますので、そちらでも構いません。
何より美味しい和菓子を皆さんに召し上がっていただけたら嬉しいです。

和菓子職人のレシピ

黒豆         250g
美味しい水     1700g
白ざら糖       400g
重曹           2g
鉄野菜(商品名)     1個
醤油(なくてもOK)    25g


    

💡鉄野菜がない場合は、鉄鍋を使用することで、同じ効果が得られます!

作る前に抑えるポイント

✅最終的に、煮汁が多いと汁の方に色が抜けてしまう。火加減をうまくコントロールする!!
✅急激に強火で加熱すると、豆に蜜が浸透しないので、焦らずにじっくりいこう!!


材料の解説

水    ・・・  薄い水の状態からコトコト煮上げる。差し水はしない。火加減で糖度をコントロール。

鉄野菜  ・・・  酸化した鉄の野菜。鉄分補給用鉄製品。錆びた状態の鉄の方が、鉄分が出やすい。
           なくてもできるが、加えることでより黒く、色つやが良くなる。抜群に安定する。

なぜ、黒くなるのか?

黒豆に含まれるアントシアニンが、鉄と反応すると、より黒くなる。
細かく言うと、黒豆の皮に含まれているクリサンテミンというアントシアン系色素と

鉄イオンとの錯体にすると色鮮やかな黒色になる。
アントシアニンは単体だとPHによって、構造が変化して、色が変わってしまうが、錯体にすると構造が安定する。



重曹   ・・・   PH調整の為。


醤油   ・・・   味の好み&安定の為。なくてもできる。加える場合は、味の浸透の為、一晩放置。

和菓子職人の作り方

あんこまん
あんこまん

衛生上の問題から、特別な場合を除き工場に機器が持ち込み厳禁。
その為、画像や動画がないものが多く分かりにくくて、本当ごめんなさい。
でも本気で解説していきます。絶対に美味しくて、上質なものができます!

  1. 黒豆を水洗いして、水気を切る。灰汁がたくさん出るので、丁寧に洗う。
    ☆ 雑に洗うと、皮が剥けるので注意。


  2. 別鍋に水・砂糖を入れ、火をつける。
    ☆ 普通の水だと割れてしまう。浸透圧の力で、割れにくくする為に砂糖水を使用。
  3. 沸騰したら、火を消す。



  4. 重曹と鉄野菜を加え、水気を切った黒豆をいれて、一晩つける。



  5. 翌日、中火にかけ、沸騰後に、灰汁を取りながら、とろ火で煮る。
    ☆ 灰汁取りシートなどがあれば使用した方がよい。こまめに取らなくても済む。



  6. 8~10時間で軟らかく煮る。
    醤油を加えない場合は、ここで出来上がりです!!!!



  7. 糖度44で、醤油を加えて、一晩おいて出来上がりです。
    ☆ 糖度を高くするほど、日持ちするが、豆にしわが入りやすくなる。
      一般的に、関東は糖度高め、関西は低めである。
黒豆にしわが入る原因

・蜜が少ない。または浸透していない。
・豆に空気が触れすぎている。
・糖度が高すぎる。

日本橋の日本料理人のレシピ

黒豆(乾)丹波産大粒    300g
美味しい水      2000g

錆びた釘          10本
鬼ザラ糖        250g
醤油           50g
塩          小さじ0.5
重曹         小さじ0.5


日本料理人の作り方

  1日目

  1. 水・砂糖・塩・醤油を鉄鍋に入れ、沸騰直前で火を消す。

  2. 重曹を加える。

  3. 2に黒豆を加えて、一晩おく。
    ☆ 乾いた豆を戻す時、熱湯を使用すると割れにくい。水で戻すと割れてしまう。


    2日目
  4. 翌日、灰汁を取りながら、強火で煮る。
    一回目の沸騰で、さし水(分量外)100gを加える。
    そして、灰汁をとる。


  5. 4の工程を2~3回行う。


  6. 落し蓋と、蓋をして8時間弱火で煮る。
    ☆ 煮汁が少なくなったら、ひたひたになるくらいのお湯を加える。

  7. 火を消して、一晩おく。
    ☆ 火を止めるタイミングが少し早くすると、すっきりした上品な甘さになる。

    3日目
  8. 翌日、煮汁から取り出し、できあがり!!!
    ☆ 取り出して風にさらすと、酸化してより黒く仕上がります。触れすぎると割れるの注意。

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