美味しい「どら焼き」を焼くには、
生地の塩梅に対する火加減とひっくり返すタイミングでほぼ決まる!
✅プロの「どら焼き」を知りたい。美味しく焼きたい。
✅「どら焼き」を焼くときのポイント・製菓理論を知りたい。
✅プロの和菓子職人さんの他とは違う記事を読みたい。
いつもご覧いただき、ありがとうございます!あんこまんです!
今回は、「どら焼きの焼き方」について
詳しく解説していきたいと思います!
どらやきの生地の作り方については↓の方にリンクを貼っておきます。
そちらの別の記事をご覧ください♪
この記事はですね、
「和菓子屋さんは、どら焼きってどんな感じで焼いてるのって?」
という質問に答える感じで書いてます。
テレビや、動画サイトで見たことがある人いると思いますが、
詳しい焼き方や理論を踏み込んで解説してくれるところは
ほぼないと思います。
同業者や、家庭でも実践できるように、参考になるように
解説しますので、よろしくお願いいたします♪
質問は若い女性、主婦の方が多いのですが、
和菓子屋さんや調理学校の生徒さんからもリクエスト頂きました。
意外と見られているんだなぁって驚きと喜びの感情です。
なので、しっかりと責任をもって応えたいと思うので、よろしくお願い申し上げます!
実際、どんな感じで焼いているかは、
テレビやネット動画とか、
稀に和菓子屋の店頭で見たことがあるかないかくらいだよね。
まず「どら焼き」を焼く道具は何がいいのか?
和菓子屋さんは「平鍋」と呼ばれる火床で焼きます。↓
「銅板」にガス火を熱し、そこへ生地を丸く流して焼きます。
電気加熱の平鍋のあるそうで、最近は結構人気です。
〇 銅は熱の伝導率が良く、ムラがない、一気に熱が上がりすぎない。
〇 熱が安定している。温度帯をキープできる。
〇 ガス熱で作業性、コスパが良い。
× 手入れがちょっと面倒。重いし、置き場所がいる。
× 技術がいる。慣れないとまあまあムズイ
平鍋は、熱の伝導率、熱の安定性がピカイチですね。
特に、滑らかな銅鉄板の上で焼くので、表面が綺麗に仕上がります。
技術面がちょっと必要です。
例えば、鉄板に油を敷く微妙な量で生地の表面の美しさが変わってきます。
塗りすぎると、生地の表面にポツポツ油じみが出たり、塗らないと剥がれなかったり。。。
ちなみに私は昔、ASAMIで平鍋(一文字)を6万円?で買って、焼く練習をしていました。
大量生産の場合は、自動でどら焼きを焼く機械などもあります。
家庭では、ホットプレートや、卵焼き機、慣れてくれば鉄のフライパンでもうまく焼けます。
個人差があると思いますが、
ホットケーキを焼くときに使っている道具がベストです!
使いやすくて、馴染みがあって良い。
作った事がないならば、ホットプレートがおすすめです!
色々試してみた結果、家庭でやる場合は、
温度設定と安定性のホットプレート、
コンパクトで使いやすい卵焼き機、プロ仕様で、難易度の高い鉄のフライパンに
なるかと思います。
凹凸がなく平らで、油のりが良く馴染んでいるものがベストです。
焼く時は、鉄板温度180℃位が良いと思います。
家庭用のコンロなどで行うと、熱にムラがあったり、一気に上がりすぎるので注意が必要です。
上記の通り、何を使うか迷った時は、
ホットケーキを焼いている時に使うものが馴染みがあっていいと思います。
この記事では焼き方を紹介しております。
和菓子職人のどら焼きのレシピの記事は⇩などを参考にしてみて下さい♪
和菓子職人は「どら焼き」のここを見ている!
つぎに「どら焼き」が焼き上がって、どういう状態が良いか見てみましょう。
美味しそうなどら焼きです。
和菓子職人はどら焼きの断面を見れば、色々と分かることがあります。
もちろん原材料で、変わることがあります。
今回は、一般的なオーソドックスな「どら焼き」と仮定した場合の解説します。
・表面の焼き色がよい。
・裏面も表面に近い焼き色で苦みを出していない。
・火が通り、生ではない。
これらはもちろん当然のことです。
どら焼きを割ってみると、上の写真の様に
黄色い断面図に縦状の筋の空洞が入っているのが分かりますか?
この状態は、一言でまとめると、非常に塩梅が良いです。
焼いた生地の量に対する熱の入り方、返すタイミング、
膨らみ方、温度、重曹の反応具合などが良いです。
次の段落で細かく説明します。
まずは、このような状態を目指して、どら焼きを焼きましょう!
「どら焼き」の生地の構造と、状態を知る
自分が焼いた「どら焼き」の生地を見て、どういう状態が良いか知ってみよう。
← 表面の茶色の部分と上部の色が若干違う層の部分をなるべく薄くする。
(重曹によって膨らんだ部分)
薄くするために、砂糖の量を抑える。
そうしないと、もどりにくくなる。
硬くなりやすくなる。
← 下の層は空洞が多くあり、
細かい空気をたくさん抱えている。
(泡立てによって膨らんだ部分)
空洞が多くあり、大きい方がやわらかい。
(空気よりやわらかいものはない)
餡の水分移行も良いため、もどりも良く。
塩梅もいい。
←重曹によって膨らんだ部分
←生地の泡立てによって膨らんだ部分
「どら焼き」を焼き方
どら焼きの焼く手順は流して焼くだけのシンプル。
シンプルで簡単そうに見えるけど、難しい。。。。
今思えば、1度にマスターしようと考えない方が良かった。
上手な人を良く見て、考察して、実践して、1回ずつ何かを掴めばいい。と思います。
私も何回も挑戦して、やっと出来るようになりました。。不器用なので人一倍苦労。。
良くミスをしていました。失敗作は「おやつ」となりました。
売り物にならないので、毎回、自信を無くすほどめっちゃ怒られたけど。。。。
①小麦粉を加えて「どら焼き」生地を仕上げる。少し放置して、生地を休ませる。
②水で硬さの調整する。その間に、鉄板温度を180℃くらいに設定。
180℃・・・鉄板に水滴を落とすと、水が踊って、3秒位で蒸発するのが目安。
慣れてくると、手をかざすだけでだいたい判断できます。
③どら匙(家庭ではお玉など)で、生地を掬って、丸く流す。
一点に流し続けると、丸く仕上がります。生地の硬さ、量を加味してうまく流しましょう。
※ 流したときに、少し「じゅー」っと音がするくらいがいい?鉄板や器具によるかもしれない
④生地の表面に泡が浮いてくる。側面から焼き色を見たり、自分の指標で判断し、
ヘラでひっくり返す。
⑤返したときの、側面の状態・膨らみ方をよく見る!!ここが超大事!
膨らんで火が通り、表面と同じくらいかやや薄めの良い焼き色になったら、取り出す。
大きな泡が浮いてきて、ひっくり返すタイミングかもしれない。
⇧の写真の時の状態が⇩ (横から見たイメージ 絵が下手くそでごめんなさい。。。)
← 生地のグルテンが泡をとらえる
← 重曹が反応し、泡が出る。
← 銅板
← 火床
← ひっくり返すと、
グルテンが捕まえていた泡が膨み、
上の生地の重曹にも反応する為、膨らむ
ひっくり返すタイミングで、仕上がりが別物!
生地をひっくり返し、膨らみ具合を見ることで塩梅が分かります。
(生地をひっくり返し、鉄板と同じ高さから見た構図)
側面の部分がなく、膨らみが悪く。ふんわり感がない。硬くなりやすい。
× 〇 ◎
生地の塩梅によっては、焼き方を工夫してもどうしようもない場合もあります。
卵の割合が多い → とても硬くなりやすい。
小麦粉粉を中力粉・強力粉にする → 火の通りが悪い。 など。
どら焼きは、なるべく高温で焼いた方がいい。
どら焼きは鉄板温度 180℃位の高温で焼くのがよい。
✅ 生地温度を80℃以上にしないと重曹の反応が悪い。
✅ 重曹の反応が悪いと、下部の生地が膨らまない為、上部の生地が横に流れてしまい、
ひっくりかえしても、膨らまない。ペラペラの生地となる。
✅ 早く温度を上げないと、卵やたんぱく質などが固まって、膨らまなくなる。
職人の技が見える「どら焼きの断面」
上記で、簡単に説明いたしましたが
上手く焼けているかどうかは、どら焼きを割って見たときに、
「白い生地の断面に縦状に空洞がバランスよく出来ている」がひとつの目安となります。
この現象は、重曹が上下ともにバランスよく反応している。
焼き加減や生地の塩梅が良く、以下のメリットがあります。
✅焼き加減が良く、上から押しても、細かい空気を多く抱えているのでやわらかい。
(空気よりやわらかいものはない)
✅餡の水分移行も良く、もどりも良い。
✅ふわふわ感があり、しっかりと火が通っている。重くない。
重曹がバランスよく反応し、ふわふわ感や生地の質感がとても良いどら焼き →
ちなみに、右の写真の焼き方をしている和菓子屋さんは、
「上野御徒町のうさぎや」さんのものです。
大多数が今まで食べた中で、一番美味しい「どら焼き」というだけあって、
「和菓子職人の光る技術が散りばめられた「どら焼き」と呼ばれています。(餡もめっちゃ美味しいのよ)
⇩ 「うさぎや」さんの特集記事がありますので、
購入したい方や、どこよりもしたい方、興味がある方は是非ご覧ください♪
「どら焼き」の生地をやわらくする方法
スーパーなどにある「どら焼き」は、添加物など加えて、やわらかくしたりしています。
一方、多くの和菓子屋さんは、職人の創意工夫でなるべく技術でより良い和菓子を製造しています。
水量と、火加減で塩梅を調整する以外で、
添加物を使わずに「どらやき」を軟らかくする方法は色々あります。
※ 家庭で作る場合は、これらの方法は即戦力となるか分かりません。あくまで参考までにご覧ください。。
✅ マンナン、寒天など水分を抱えてくれる物を入れる
★ マンナンは水を抱えて、もどりをよくするが、火のを通りが悪く粘る。
✅ 油脂で乳化させる
★ 油が入ると、餡の水分移行が悪く、馴染まないので注意。
✅ 転化糖を入れる
★ 多いと焦げやすく、火の通りが悪い。
✅ 水分を多くする。焼き上がった生地の密度を少なくして、餡の水分でもどす。
★ 流しずらく、形が悪い。
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