今までの1.2を争う、概念が覆る「越後屋若狭」の水ようかん。
コスパの良すぎる「えがわ」の水ようかん。
どちらも値段以上の価値がある。生きているうちに食べてほしい。
水ようかんは、暑い夏に食べたい和菓子です。
事実、夏になると当店の看板商品より売れる日があります。
問合せも多く、品切れでお客様を帰してしまう日々が多いです。
水ようかんは、実にシンプルです。
小豆、寒天、水、砂糖が原材料です。
中には、梅の水ようかん、抹茶の水ようかん、
味付けされている羊羹もありますが、
ほとんどは、小豆、寒天、水、砂糖のみです。
シンプルなゆえに他とほとんど変わりないのでは?
「お米の味なんて、全部同じ」
「あんこの風味なんて、どれも変わらない」
という考えの人は、この記事を読んでも役に立たたないかもしれません。
水ようかんの作り方は?
ざっくり言うと
①寒天、水を鍋に加熱。
②沸騰で寒天を溶かす。
③砂糖、餡を加えて、溶かす。
④火を止めて、冷まして、容器に流して出来上がり!
もちろん、ポイントや技術点はあります。
大まかに言うと、だいたいこんな感じ。
水羊羹のレシピ × 本練羊羹のレシピは↓の記事を参考にしてみてください
プロ目線で、美味しい水ようかんの選び方
作り方、材料もシンプルでほとんど同じ。
なのに、どうして差がでるのか?
美味しい水ようかんがどのように誕生しているか、
個人的に調べた統計から、傾向を出して解説していきたいと思います。
水が美味しい地域 もしくは 美味しい水を使っている
結論、水ようかんは水が命。
文字通り、水ようかんの大部分は、水で構成されています。
水が美味しくなければ、美味しい水ようかんはできません。
水道水でも、美味しい水ようかんは作れます。
日本の水道水は確かに、優秀で美味しいです、
しかし、薬品で消毒処理されていない
天然水や自然水には美味しさにはやはり勝てません。
水ようかんだけではなく、美味しい食べ物は、
美味しい水がある地域、使っていることが一つの目安となります。
ドーピング和菓子を選ばない
添加物を使って、味のドーピングをしている和菓子を選ばないことが結論です。
添加物が入っている食べ物は美味しく感じます。
強制的に「美味しい」に脳に伝え、中毒性もあり、脳をバグらせるので不可避です。
和菓子は日本の気候風土、自然と文化の産物です。
先人たちの創意工夫で生み出され、今も職人さん達の知恵と技術で
磨かれています。
添加物の和菓子を買って、食べるということは、
本来の和菓子や、作り手の想いを台無しにしてしまいます。
進化した充填包装 × 風味キープで日持ち◎
結論から言うと、包装状態による、味や品質に差はほとんどなくなってきている
水ようかんは、水分が多く、日持ちしません。
水分、触れる空気が多いと、食べ物は菌が繁殖しやすい。
(砂糖と結合して結合水になることで、菌が動き回るのを阻止し、繫殖を止めます。)
従来は、離水止めの添加物、砂糖を多くして菌・カビ発生を止めていました。
しかし、充填包装の進化により、新鮮で味を落とさずに日持ちすることができるようになりました。
つまり、カットタイプの水羊羹をのぞけば、だいたい新鮮な羊羹を味わえるのです。
カップタイプ、竹などの密閉タイプは以前からありましたが、
密閉性の向上。無菌空間での充填。腐敗を防ぐ能力が飛躍的に向上しているので、
いつでも、限りなくベストに近い状態で食べることができるようになります。
それゆえ、
スーパーやお取り寄せで売られている水ようかんが、とっても美味しいことが最近多いです。
和菓子屋がおすすめする 水ようかんの名店
越後屋若狭 東京・千歳
飲める!?水の如く信じられないほど「やわらかい」
完全予約制の水羊羹。
越後屋若狭とは?
一之橋を渡った角地にある季節の和菓子特に夏季限定の水羊羹が有名な越後屋若狭。
東京墨田区、両国駅から森下方面へ、徒歩7分ほどの隅田川の近くにひっそりとあります。
日本家屋の高級日本料理店の様な佇まい。いかにも隠れた老舗と言う感じで、ちょっと敷居が高そうな風格です。
創業は元文5年(1740年)頃。
越後屋若狭は、夏目漱石や伊藤博文も愛したという逸話の残っている長い歴史を刻み続けています。
偉人達の心を掴んでいたなんて、なんだか浪漫を感じます。
現在は8代目で、主人は桑原宏太さん。
創業は1740年か1765年とはっきりしないワケは
災害が多かったこの土地はその時代の資料が消失してしまっているからと言う。
しかしながら、江戸の街で最古の和菓子屋と言われる国宝級の老舗です。
限りなく水に近い、奇跡の水ようかん
水ようかん 1舟 3300円?(税込み)
日持ちは当日中
サイズ感は、葉書大ほどで、高さ1寸ほど。
水ようかんは、例年 夏季~9月上旬までの販売です。店舗にて要確認。
当日、予約された水ようかんのみ、
一つ一つ丁寧に作られている感がはっきりと伝わってくる。
この水ようかんを文面で隅々まで表現するのは、難しい。
一言いえるのは、
水ようかんとして最高のクオリティと感動が味わえる一品ということ。
是非、食べてみてほしい。
「日本の越後屋若狭のの和菓子職人すげえ」と口にしたくなるの間違いない。
入手方法
基本は電話予約です。ネット予約はできません。来店して予約もできますが電話がおすすめ!
めちゃくちゃ忙しいと思うのに、電話では優しく、丁寧な対応をしてくれます。
日時と時間を決めて、名前を告げれば予約完了です。
運よく空きがある場合 → 最短で3日後に入手可能。
通年の夏場の場合 → 2.3週間後~1ヵ月待ちです。
過去2021年7月中旬・2019年8月上旬に予約した際は、3週間~1ヵ月後から予約可能でした。
※ ちなみに日本橋高島屋に月1で納品しているようなので、タイミングがあえばそこでも買えます。
値段も本店より少し高いデパート価格で、包装も進物用になります。
高島屋の方は、1ヵ月待ちが多く、入手が難しいので、個人的は本店がおすすめです。
当日の流れ
引き戸を引いて中に入る。
こじんまりとした店内には、水羊羹の他に季節の和菓子が3種類ほどショーケースに飾られています。
女将さんらしき人に予約名を告げると、奥から水羊羹の小箱を持ってきて下さいます。
そして一言。
冷蔵庫で3時間ほど、冷やすこと。
とにかく壊れやすいので、水平に優しく持ち運ぶこと。
口調は優しいながらも、強めにご指導をして下さいます。
家に持ち帰り、冷蔵庫で冷やす。
3時間冷やした後、取り出して、
ふたを開けると、隅田川に新緑の葉が流るる、その情景を映した水羊羹が現れます。
羊羹包丁で羊羹サイズ(1.5寸×9.5分)にカットします。
寸法にきれいにカットできましたが、和菓子職人でも包丁するのが難しいです。
この羊羹、「毎日この寸法でカットして陳列して」と言われたら、逃げます(笑)
大多数の人は、難しいと思うので、匙で掬って食べて下さい。
食べてみて
本当に水のようだ。この柔らかさ。
口に運ぶまでに流れてしまいそう。
味より、滑らかなのどごしと無に等しい食感に驚く。
味は極めて上品かつ淡白な餡の風味が広がる。
水分の比率が多いのに、ここまで餡の風味が広がることに驚きを隠せない。
水ようかんの概念が覆すには十分な一品だ。
水ようかんだけじゃない!?
季節を彩る美しく、繊細な和菓子たち
越後屋若狭には、常時、だいたい3種類ほど季節の和菓子がございます。
こちらも職人が一つ一つ丁寧に作り込んだ芸術品です。
今回は、水ようかんの記事の為
詳しく記載しませんが、この和菓子を求めて遠方からくる方々、
お茶会での用いる方が多数いらっしゃいます。
それほどの私たちを、引き付ける何かがあることは間違いない。ようです、
※ 越後屋若狭の和菓子は全メニュー予約制です。
「越後屋若狭の近くに来たからついでに買ってみようかな」はできないのでご注意を
同じ和菓子職人の目線で見たときにここがすごい!
越後屋若狭のすごいところは・・・
再現できない唯一無二の水ようかん。
古今東西の和菓子職人によって水ようかんの今も研究されています。
そんななかでここの水ようかんの別格です。
「はっきり言って、レシピ配合の見当もつかない」
私自身も、冗談抜きに何千回と水ようかんの試作しました。
店売りの水ようかんとは別にです。
しかし、この境地には達しませんでした。(自分の勉強不足)
同じレシピでも再現するのが極めて難しい感じがするのです。
どうつくっているのか知りたい。
とろけるような水ようかんはたくさんありますが、
寒天の力だけで表面を支えるのでなく、餡・寒天・水分が全くムラなく粒子単位で混ざり、
透明感のないこの状態は凄すぎるのです。
入手難易度の高さ、激ムズな持ち運び、日持ちは当日中。。
おそらく、世界一食べるまでに壁がある水羊羹です。
もし、贈答品としてもらったら最高に嬉しいのは、間違いない。
越後屋若狭
店舗名 越後屋若狭 (えちごやわかさ etigoya wakasa)
電話番号 03-3631-3605
営業時間 10:00 ~ 17:00 (電話、直接店舗にて予約制)
定休日 日曜日・祝日 ※営業時間・定休日異なる場合がございます。
住所 東京都墨田区千歳1‐8‐4
アクセス 電車 ― 浜町駅 から490m 徒歩7分
両国駅から530m 徒歩7分
森下駅から590m 徒歩8分
バス停 ― 江島杉山神社入口から140m 徒歩2分
備考 完全予約制です。店内撮影不可。持ち帰りのみ。
決済 現金のみ?
HP 該当なし 食べログのページをリンクします。
駐車場 該当なし
⇩こちらのお店は人気記事の「東京ベスト和菓子巡りの1店」に紹介しております ⇩
興味がある方は是非♪
割烹久田 東京・広尾
極限までにやわらかく。
著名人や食通から絶賛される
日本料理の職人が生み出した水羊羹
水ようかんの概要は以下のとおりです↓(公式のホームページより)
割烹久田とは?
港区南麻布に店舗を構える割烹です。1994年に開業。
TVや有名人、食通の間で話題のお店である。
一時期、大人の事情で閉店していた時期もあり、
今も口コミなどでも賛否両論あるもよう。
そんなレビューは気にしない。
なぜなら、この水ようかんは食べてみる価値がある。
入手方法
全て手作りなので、電話にて予約です。
ホームページにも詳しく記載してあるので確認してみて下さい。
私は、友人から手土産に頂いて食べたのが初めてでした。
事前の情報なしです。
食べてみてとても美味しく、その食感・色・作り込みに感動しました。
「いつもの水ようかんと何か違うな」と
感じました。
「日本料理の職人が何か和菓子職人では考えもつかないような
ひと手間が施されている」と
納得したのを覚えています。
日本料理のことは分からないが、割烹久田のすごいところ
割烹久田のすごいところは・・
TV和風総本家でも紹介されていましたが
水羊羹ができるまでつきっきり。手間暇を惜しまないところ。日本料理職人の心粋を感じた。
気のせいなのか、
どういうわけか、日本料理人と和菓子職人が作った水ようかんの違いを感じる。
口の中でとろける食感とのど越しが特徴ですね。
作る労力・ボリューム感・味を考えても、この値段はとても良心的だと思います
割烹久田
店舗名 割烹久田 kappou hisada
住所 東京都港区南麻布4-2-48 TTCビル地下1階
電話 03-3444-9130
FAX 03-3444-9147
昼の営業時間 11:30~13:30(ラストオーダー)土・日・祝日を除く
夜の営業時間 18:00~21:00(ラストオーダー)定 休 日月曜日
アクセス 日比谷線 広尾駅1番出口より 徒歩2分
HP 割烹久田のホームページ
駐車場 該当なし
決済 不明。要確認。
えがわ 福井・照手
値段以上の美味しさ!?
コスパの良すぎる水羊羹
※ 11~3月のみの販売です。暑い夏には食べられません。
趣旨と違って、ごめんなさい。それでも薦めたい一品なのです。
えがわ とは?
1937年「江川葉舗」創業。1993年に名前を現在名に変更。
看板商品は水羊かんです。
11月から3月までの冬季期間限定販売です。
製造は毎年10月下旬から開始される。
夏場は生産をしないため、スタッフは夏休みの様です。
福井における当社の水羊かん生産のシェアはなんと2/3です。
約200ある企業の中で、最大手と新聞では紹介されています。
1985年より全国発送を開始。
水羊かんの生産量は多い時で1日1万箱。
煮込みから完成まで約3時間かかる模様です。
福井の冬の風物詩「水ようかん」。
多くは「えがわの水羊かん」を思い浮かべる
「えがわ」の水ようかんは、福井を代表する銘菓です。とても地元の方に愛されて有名です。
メディアなどにも多数出ていますが、
多店舗展開せず、こわだって、謙虚な姿勢で和菓子を作っている姿に好感をもてます。
「えがわ」の水ようかん。は、特上の黒糖を使用しています。
普通の水ようかんは、すっきりした甘さや、さわやかさを重視するため、純度が高い白ザラ糖、
鬼ザラ糖を使用しますが、こちらは黒糖を使用。
冬場におもてなしするということで、コクのある黒糖を使用しているのかもしれません。
黒糖のコクを感じますが、しつこいクセもなく、上品な甘さを感じます。
何度でも食べたくなるような「水洋かん」です
水羊かん 1箱 800円(税込み)
日持ち 冷蔵庫で、賞味期限5日間
サイズ 横 16.5cm × 奥行き 23.5cm × 高さ 2.3cm
容量 520g入り
※ パックの底が分割されているので、食べる分だけ取り出せて便利です。
楊枝もついています。
入手方法
水ようかんは、福井県の工場で作られています。店舗も福井にしかありません。
が
東京のアンテナショップで購入することが可能です!
色々な水ようかんが置いてあるので、目移りしますが、まずは「えがわ」の水ようかんを食べてみましょう。
また、「えがわ」の公式のホームページでオンラインショップがあるのでそちらでもできるとのことです。※要確認
和菓子屋の目線で「えがわ」の凄さを感じる
美味しいのはもちろんのことですが、
率直に言うと、「特上黒砂糖を使用で、この値段!?」です。
他の記事でも申し上げた通り、和菓子の材料でも、黒糖はとても高価です。
しかも、溶けにくく、ダマになりやすい。= 手間×生産効率が下がる。
※ 黒糖は他の砂糖と違い、ブロックで届く場合があり、
砕いてから、使用しないといけない場合があり、手間がかかります。
材料表記を見る限り、黒糖の割合が高く、520gで800円。
「えがわ凄い。原価は、かなり高いと思う。」
自社で黒糖を栽培しているのか、どこかでめっちゃ工夫をしているのか分かりませんが、
並々ならぬ企業努力を感じます。
えがわ
店舗名 えがわ egawa
住所(本店) 福井県福井市照手3‐6‐14
アクセス
営業時間 8:30 ~ 18:00
定休日 11~3月 無休
4月~10月 水曜日
元旦休み
電話 0776-22-4952
FAX 0776-22-5200
MAIL info@egawanomizuyoukan.com
HP えがわ のホームページをリンクします
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