作業時間の時短・あんこの仕上がり・材料コスト。トータルでコスパが良いのは・・・
生あんを製餡業者から購入し、砂糖を加えてあんこを練り上げる。

いつもご覧いただき、本当にありがとうございます!
和菓子屋のあんこまんです。
おかげさまで、このブログを見てくれる方も少しずつですが、
増えていき、作ったレポート、嬉しいコメントを頂いて、とても感謝しております。
狂った批判のコメントは同業の和菓子屋の仕業だと思っているので気にしていません。
和菓子屋が、あまり知られたくない事を記事にしているので、仕方ないかもしれません。
しかし、みんなのとって有益ですし、私は、これまでどおり
美味しいもの作ったり、和菓子の情報や魅力を発信していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

さて、この記事に本題に入りますが、
最近の一部の過激派のコメントで、
「和菓子屋のこしあんをもっと手軽に、安く、食べさせろ。」
「家で作ると確かにコスパはええけど、時間がかかりすぎる。」
「こしあんを店で買うのが一番早いが、値段が高けえ。」
「黙ってあんこ練ってろ!」
というクレームに近い声が上がっています。
普通の人は恐らく、こんな狂ったコメントスルーですが、
私は「あんこまん」と名乗っている以上、お答えしなければなりません。
過去の記事では、
家で作れるコスパ最高の餡の作り方、
そして忙しい方向けには、和菓子屋さんや製餡所で餡を購入するように勧めてきました!
確かに、
小豆から炊いてつくるのは、コスパ的には最高ですが、時間がかかります。
面倒なので、餡そのものを買う。これは手軽に和菓子屋の餡を最短で入手できますが、値段は高いです。
つまり、これ以上に
家でもっと手軽に作れて、材料コストも安くて、
和菓子屋のあんこに限りなく近いものを教えろ
ということですね。
実はあります。これはほとんどの和菓子屋さんも使っている方法です。
知っている方もいると思いますが
それは、ずばり、生餡を製餡所で購入し、家で餡を仕上げるという方法です!
その理由と、作り方を今回記事にしましたので、興味のある方は是非ご覧ください。

あんこって、どうやって調達するのが、一番いいの?
結論から言うと、人によります。
美味しい餡を1から自分で作りたい人は、自分で作るのがベストだし、
そもそも作るのが面倒、お金払ってでも、手軽にほしい。そんな忙しい人は買うのがベスト。
これを言ってはお終いですが、
今回は、リクエストがあったように、
買うよりも安くて、
小豆から作るよりは、はるかに楽ちんで、
和菓子屋みたいなあんこがほしい。
という良いとこどりのオンパレードです。
なので、
生餡を買って、あんこを仕上げることを強くおすすめします!
作り方の前に、理由も詳しく解説していきたいと思います。
あんこの3パターンの主な調達方法
1 自分で、小豆を炊いて、餡にする。

・一番安価で、美味しい餡ができる。
・材料は小豆・水・砂糖のみ。いずれも入手が容易。
・自分で作るので、経験値になる。
・時間と手間が、かかる。
・道具がけっこう必要で洗い物が多い。
・少し技術と知識がいる。
この場合の、、こしあん1㎏の調達コスト
時間コスト 6~12時間 (小豆の状態や、作り方、技術にもよるが、だいたいこれくらい)
材料コスト 小豆500g + 砂糖 + 光熱費 + 水 = 500円くらい (豆の等級、砂糖によりことなるがだいたい)
つまり
半日くらい時間かかるけど、原価500円くらいで、1㎏のこしあんができます。
料理好きな人は楽しいし、多分美味しくできるのでこの方法がおすすめ!
2 餡を買う。

・最短で、美味しい餡を入手できる。
・和菓子屋や製餡業者の餡なので、めちゃくちゃ美味しいのは間違いない。
・値段が高い。
・お店によって当たり外れがある。
・賞味期限が近い餡が売りつけられる可能性がある。
この場合の、、こしあん1㎏の調達コスト
時間コスト ネットなら、ほぼかからない。店舗なら交通費のみ
餡コスト 600~2000円くらい (スーパー等は、安価だが保存料入りで味はそれなり。
和菓子屋は、美味しくて、本物だが、1g当たり2円の価格)
つまり。。
値段は高いが、時間がかからずに、ほぼ確実に餡を手にいられる。
餡の味はピンキリだけど、ほぼ美味しい。忙しい人、今回は楽をしたい人はおすすめ!
3 生餡を買って、自分で餡を仕上げる。

・餡のプロが餡が出来上がる直前まで手間と時間のかかる下処理をしてくれている。
・洗いものが少ない。
・水と砂糖を加えて練り上げるだけ。
・自分の好みの甘さ、塩梅にできる。
・比較的に安価。
・生餡は日持ちしない。すぐに練り上げないといけない。
・若干、技術と知識がいる。
この場合の、こしあん1㎏の調達コスト
時間コスト 30分~60分 (加熱の仕方、仕上げの仕方によるが、だいたいこれくらい)
材料コスト 生餡+砂糖+光熱費+水 500円 ~ 800円くらい
つまり。。。
調理は1時間、原価は700円くらい。
面倒な工程がなく、プロが仕上げた生餡から作るから手軽。
ほぼ失敗せずに美味しい餡ができる。コスパ的には最高。
生餡とは?
簡単に言えば、 小豆などを煮て、皮を取り除いた豆の中身です。
さらに細かくいえば、 餡粒子とよばれる「呉」です。
作り方で言うならば、 砂糖を加える前のあんこです。

水を漉します。 →


生餡は作る手間・時間がかかるため、その部分を製餡所がやることで、和菓子作りを支えています。
生餡を和菓子屋さんに納品して、和菓子屋さんが生餡をあんこに仕上げるというスタイルが主流ですね。
↓ 上に乗っかているのが、小豆の生餡、下にあるのが豆の皮と生餡以外の中身 ↓


今回は生餡を使った方法の作り方を紹介します。
といっても、生餡買って、砂糖加えて、練り上げるだけです。
ポイントさえ押さえれば、和菓子屋の餡ができてしまう。
なので、和菓子屋さんも本当は教えたくない方法です。
レシピ こしあん2㎏弱の練り上がり配合 一般的な糖度60のこし餡です。
生餡 1000g ネットや、特に製餡所で購入がおすすめ!
美味しい水 400g 餡の大部分が水分。水が美味しいことは重要
砂糖 600g 鬼ザラ糖、白ザラ糖、グラニュー糖などの純度が高いのがおすすめ!

生餡は、ネットで普通に買えます。
1㎏あたり、600円~1000円が相場ですね。しかし、ぼったくりのように送料がかかるので、
近くに製餡所があるならば、そこで購入するのがおすすめです!

でも、製餡所で何をどうやって買えばいいか分からないし、
そもそも、買えるのか分からない。

製餡所によりますが、ネットで調べたり、
必ず、電話して一般の個人として購入できるか聞いてください。
製餡所は朝早いのでだいたい繋がると思います。(笑)
生餡にも等級があります。分からないと思うので
「家でこういう餡を作りたい」というと、お勧めの生餡を提案してくれると思います。
売ってくれない場合が多いですが、生餡は足が早く、鮮度が大事です。
冷凍もあまりできないので、和菓子屋さんがキャンセルしたり、
生餡が余ってしまった場合売ってくれる場合がありますよ。
和菓子屋さんは何十キロと購入するので、キロ当たり安く買えますが、個人の場合は、ちょっと値段が上がります。
ちなみに私の店では、特級小豆の赤生餡は10㎏ 8000円くらい キロ当たり800円くらいです。
あんこを手作りしたい方、
あんの記事はこちら↓にもありますので、興味のある方は是非♪
作り方

実際、工場で作っている様子の写真をアップしておきます。
家庭でやる場合は、この様子を参考にしながら、道具を置き換えて、餡作りをお楽しみください♪
- 大きめの鍋に水と砂糖をいれて、火にかける。
★ 火加減はできる限りの強火。火の先端が鍋の中身の水位を超えない上での最大火力。← 2㎏の生餡仕込む 実際の工場の様子。
砂糖は最上級の鬼ザラ糖。水は天然水。← 7㎏の生餡仕込む。大量の場合はプロペラ使用。
- 沸騰して、砂糖が完全に溶けたら、生餡を入れる。
← 完全に沸騰したら、加える。
← 生餡を投入。水の量が多く見えるかもしれないが、
高火力&大量の熱水が一瞬にして生餡に火に入れる。
それにより、水分が圧倒間に飛ぶので、結果的に仕上がるのが早い。
餡をいれたら、すぐに混ぜないでおく。水があるので焦げない。
水の沸騰を利用し、餡に熱をいれていく! - 火力はあまり落とさない。混ぜすぎない。焦げないよう底から混ぜるだけ。
弱火で、練っている時間が長いと餡は粘り、白っちゃけるので注意。
← 徐々にこしあんになっていく。この塩梅はやわらかめの餡団子用の餡です。
- 好みの塩梅で練り上げる。
★ 練り上げた塩梅から、気化熱で餡の水分が蒸発し、若干餡がしまるので、
好みの塩梅より少し手前で練り上げると良い。← 練り上げたら、容器に移して冷ます。
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