和菓子職人5人全員が納得、嫉妬した好きな大福を紹介してます。
プロ目線で、その店の大福の凄さと価値を真剣に話します。
「そろそろ、日本で美味しい大福を決めようか。」
ライバルであり、仲間の和菓子職人5人が
東京で集まり、食事の席での話
テーマは「大福」
議論が白熱する
ある時
「心が揺れた大福に出会ったことはあるか?」
。。。
最初は53店舗の大福が候補に上がった。
そこから4時間半の協議のすえ
5人の和菓子職人が納得した
数店舗が決まった。
とても興味深かったので
和菓子職人が出した一つの結論を
今回、記事にしようと思う。
美味しいお店の紹介の前に、
「大福」についての解説、プロならではの和菓子目線での価値観を
紹介していこうと思う。
そもそも「大福」は? そして「日本3大大福」とは?
大福とは、江戸時代の中期頃に誕生。小豆から作った餡を、餅で包んだもの。とされています。
餡、餅は腹持ちが良いため、「大腹」と言われていましたが、
縁起を担いで、「大福」と呼ばれるようになったようです。
日本3大大福というのは、
泉岳寺の松島屋、
原宿の瑞穂、
護国寺の群林堂 の3店で作られている 豆大福 というのが、
一般的に認知されている三大大福です。
誰がいつ頃、呼ぶようになったのかは、定かではありませんが、
どの店も午前中に売り切れてしまうほどの人気です。
「本当に美味しい大福」は どこが違う?
「当日しかもたない和菓子が、これだけの行列や人気があるのは、なにかある。」
朝昼晩のご飯と違って、
嗜好品である和菓子は、
身近な存在ではありますが
お金を出して買うほどの優先順位はそれほど高くはありません。
それでも、人を惹きつける何かがあるのです。
職人の技と工夫で勝負している ‐ 時代の流れに逆らい、和菓子の良さを伝える。
人によって好みが違います。
スーパーやコンビニで売られている添加物たっぷりの大福が「一番美味しい!」という人もいるかもしれません。
和菓子というものは、日本の花鳥風月、気候風土が産んだ、日本固有の文化です。
先人たちの知恵と創意工夫がなされています。
現代では、知恵や工夫がなくても、どこでも食物がありますし、手に入れることが出来きます。
添加物を使って、食感や味のコントロールも容易にでき、機械を使えば一度に大量に作れてしまいます。
和菓子屋の技や工夫を感じることなく、食べることができます。
便利になった反面、失われたものもあります。
素材の風味が分からなくなったり、古来より伝承されてきた技や粋というものを感じることができない。
添加物が登場したのはごく最近で、実験などで安全と呼ばれていても、
人間が一生涯に渡って、摂取した場合のデータは存在しないので、
完全に安全とは呼べないですね。
味、食感、バランス。
これも好みですが、多くの人を魅了するものには特徴があります。
良い素材。 言うまでもなく。
良い塩梅。 素材の風味を最大限に出した加減。
良いバランス。 餡、生地、豆の構成比。それぞれの良さがでるバランス調整。
良いスピード。 出来立てが一番うまい。搗き上げてからの提供スピード。
良い演出。 美味しそうに見せる。脳をだます。
どこかを良くしようとすると、どこかが悪くなったり、
作り手は、勉強して、日々追求している。
日持ちは当日中。 ー安心安全の1つの目安
大福の原材料はもち米です。
普通に考えて、炊いた米が次の日美味しいと思いますか?
そして、次の日までやわらかくて、美味しい感じるものには、
ほとんど添加物や大量の砂糖が入ってます。
添加せずに、創意工夫や技術で日持ちさせるには至難の業です。
モダンミキサーを使用していない
これも好みですが、大福を作ってきた我々の出した1つの結論として聞いてください。
モダンミキサーとは、蒸した米をミミキシングして餅状にするものです。
近年、普及している家庭用の餅つき機のほとんどがこの原理です。
餅つき機と謳っていますが、搗いていません。
杵を石臼に落として作る餅とは全くの別物と考えてます。
ミキシングによりで米の粒子を完全に破壊しているので、
やわらかい求肥のような食感になり、もち米の良さであるコシのある食感はあまり出ません。
そういうものが好きな人は今回の記事は参考にならないかもしれません。
今回、選んだものは、杵を石臼に落として、搗いた大福です。
搗き加減と塩梅は、職人の技術が光ります。食べてみると、その良さが楽しめるでしょう。
大福の作り方のこちらの生地を参考にしてみてください。 ↓↓↓
けっこう好評です。作ると楽しいし、コスパはとても良いです。
和菓子職人たちが、本気で選んだ 「大福」 が美味しい店
松島屋 (東京 泉岳寺)
「紹介した人はほぼ、今まで食べた豆大福で1番好き!と言う」
「食べたいです。並ばせて下さい。」
「素材の良さを最大限に出した、チート大福」
豆大福 190円 ※2022年時点 日持ち当日中。 重さ推定80gくらい?
日本三大大福の一つである 「松島屋」の大福は、
平日であろうが、雨の日であろうが、開店前にはだいたい人が並んでいる。
電話で予約できるらしく、予約客が多い。
行列だが、店員さんがテキパキ動いているので、
10人ならんでいても、19分くらいで買える。 (一人当たり1分50秒くらい?)
間口は小さめ、店に入るとすぐにショーケース、その後ろには製造場。
もち米の蒸した香りが、心地よい。
だんごや、餅の和菓子が数種類ほど。
メインはやはり豆大福。
毎回、訪問しているが、お昼前には売り切れてしまう。
もっと早い日もあり、開店して1時間で売り切れてしまうことも。
ふらっと立ち寄って、たまたま残っていたから、買えたことはほぼない。
昔ながらの製法で、石臼のなかに蒸しあげた餅米を入れて、
杵を落とす。
絶妙な塩梅と、タイミングで赤えんどう豆をいれる。
餅の生地が出来上がったら、
生地が冷めないうちに、つぶあんを包んで仕上げる。
和菓子職人たちが口をそろえて言った
松島屋の豆大福のすごいところは、
「どうやっているの?餅と餡の最高バランス」
「どうやって煮たらこうなるの?大粒なのにパサつかない赤えんどう豆。」
餅生地は少な目、餡がぎっしりと包まれている。
餡はつぶあんですっきりとしていて、上品な甘さ。
それでも小豆の風味をとても感じられる。
風味の強い小豆のつぶ餡がぎっしり入っていながら、
餅生地の風味もしっかり出してる。
矛盾なんだよね。
「全部の素材の良さをMAXに出した、
「添加物の使用を疑うほど、このバランスのとれた豆大福はすごい。
同業ながらも、この豆大福は本物であり、価値の高さを毎回、感じる。」
赤エンドウ豆はかなり大粒。それでいて、パサつきがない。
これ作った事がある人は分かると思うけど、パサつかせないのマジですごいよ
塩気も最高です!
意識して食べると、それぞれの素材の良さが実感できるのがすごい。
住所 港区高輪1‐5‐25
営業時間 9:30 ー 18:00 (売り切れ次第終了)
定休日 日曜 第1・第3月曜
最寄り駅 都営浅草線・京急「泉岳寺駅」 より徒歩5分
泉岳寺駅からは、やや緩やかな上り坂。
都営三田線 ・東京メトロ南北線「白金高輪駅」 より徒歩8分
バス 都バス 品97(品川~新宿)・反96(五反田~品川~六本木)「高輪一丁目バス停」より徒歩2分
ちぃばす高輪ルート(品川駅→三田駅→品川駅)高輪一丁目バス停下車。
ちぃばすの場合、品川駅からのバス停は店の目の前です。
三田駅→品川駅行きバス停は、伊皿子交差点の北東 徒歩2分・泉岳寺駅から333m
HP なし (食べログで松島屋ページをリンクします)
支払方法 現金のみ?
予約 可能。電話予約
超穴場!行列回避するなら、三越や高島屋、デパ地下で買えます!
ふらっと立ち寄って、
松島屋の大福を
1回だけ、銀座三越の「菓遊庵」で買えたことがあります。
あまり知られていないのか、お昼に普通に買えました。
聞いたところ、夕方ごろには売り切れるそうです。
月に1,2回?
松島屋かデパートに問い合わせて確認することをおすすめします!
販売日:毎週木曜日
場所: 銀座三越のB2階の「菓遊庵」
値段: 201円(税込) ※2021年の訪問時
」
ちなみに、松島屋には
数か月待ちの
完全予約制の幻の栗蒸し羊羹が存在します。 ↓↓
出町ふたば (京都 青龍町)
「ここまで、繊細で肌理の細かい豆大福は見たことがない」
「餡と餅の一体感。その中で、大量の赤えんどう豆の主張が最高!」
「京都の和菓子屋は、大福を上生菓子にしてしまう」
名代 豆餅 220円 ※2022年時点 日持ち当日中 重さは75gくらい?
京都・世界遺産の下鴨神社がある出町。
出町ふたばがある商店街の近くには
鴨川が流れるノスタルジックな雰囲気に包まれている。
落ち着き、穏やかな時間を感じる。
米を蒸した香りがする。。
香りのもとを訪ねてみると、「出町ふたば」があった。
平日にもかかわらず人で溢れ、活気がある。
店頭販売である、広い間口に並びながら、商品を見る。
お赤飯、大福、餅。
朝生菓子が強い。
餅菓子がメインであり、どれも人気だが、
特に「名代 豆餅」と言われる豆大福が異常に売れているようだ。
この大福が忘れられないものとなる。
初めて食べたときの衝撃は凄まじい。
出町ふたばのすごいところは、
京都ならではの上品さと、力強い赤えんどう豆の存在感よ。
全てにおいてのクオリティーが高い。
単純に美味しい。
日本の大福の最高峰。
肌理細かいシルエットと作り込みは、上生菓子のような繊細さ。
食べた感じの上品さを京都ならではを感じられる。
後からくる赤えんどう豆の主張は力強いが、決して餅と餡を邪魔しない。
この計算されたバランスは素晴らしい!
朝生菓子の代表である大福は、どちらかというと見た目よりもスピード生産を
意識する。
しかし、ここの大福は出来上がるのは早いが、見た目も美しい。
切った断面も見る限り、丁寧な仕事をしている。
手作業で作られているそうだが、機械で作ったような均一性と正確性がある。
予約が超おすすめ!休日は大混雑。(30人くらい並んでます。)
予約をすれば、行列をかき分けて、入手できます!
おそらく、初見で「日本一の大福行列」だと思います。
私も初回は45分くらい?並びました。それでも十分並ぶ価値はあります。
しかし、並びたくない。
店の人に聞いたら、
「5個以上買うなら、電話で予約ができるよ。」と言ってました。
2回目からはそうしています。
飛行機で東京の三越、デパートなどに卸しているようですが、
個人的には、京都の店で買って食べるのが、ベストだと思ってます。
営業時間 8:30~17:30
定休日 火曜・第4水曜 (祝日の場合は翌日) *お正月休みは長めです
営業時間・定休日は変更となる場合あり。要確認。
TEL 075-231-1658 (予約可能)
電車 京阪本線「出町柳」駅(5番出口)から河合橋、出町橋を渡り徒歩7分 出町柳駅から340m
バス 京都バス・市バス4・17・59系統で「河原町今出川」バス停下車徒歩2分
京都駅より市バス205系統・四条河原町から市バス37・205系統で「葵橋西詰」バス停下車すぐ
支払い 現金のみ?
駐車場 なし
HP なし (京都の観光ガイドサイトの出町ふたばのページをリンクしておきます♪)
さわ山 (新潟 夕栄町)
「日本で一番美味しい というコメントが絶えない」
「常識の逆を行く。餡を食べているかのような大福。」
「皮は超極薄、ほぼ餡。だけど、バランス最高◎」
名代 大ふく 135円 ※日持ちは当日中 重さ75gくらい?
車やバスで行くのがお薦めです。
駅から徒歩だといけないことはないですが、少し距離があります。
さわ山さんの特徴は、
昔ながらの手法で和菓子の美味しさ・素晴らしさを守りつづけています。
綺麗に陳列された和菓子を見ると
お菓子作りに妥協が感じられません。
ただ、綺麗に並べられているのではなく
菓子が規格が均一で、正確であり、美しい。
スピードが生産が求めれれる朝生菓子がこれだけ
綺麗なのは、驚きですよ。
しかも、手作業で。
職人の腕が秀逸であることが、
一目見ただけで分かります。
作り方は伝統的ですが、売り方は時代の流れにうまく合わせ、ネット販売や、
予約もでき、支払方法もいくつか用意されています。
食べログや、ネットの口コミを見ると、
味は美味しいが、接客が良くない。対応がよくない。
と言うレビューがありますが、
私は何回も行きましたが、とても気持ちのいい接客でしたよ。
女将さんも、男性の店員さんも、迅速ながらも、笑顔で対応してくれました。
悪い口コミが想像つかないです。
まあ でも、相手も人間ですから、
おそらく、忙しい時間帯に、店員さんの余裕がない時にイラつかせてしまう何かがあったのでしょうか?
一つ言えるのは、いつもあんなに混雑しているのに、
ショーケースや店内がきれいで、
お店の回転が速く、
包装の技術もあり、対応もいい。
たまに接客が悪い時があったとしても、
和菓子屋の姿勢としては
一流だと思いますよ。
さすが、米どころの和菓子屋さんと言う感じですね。
やはり全体的に餅菓子が美味しいです。餡は優しい味の餡が多く、
餅がメインな感じがします。
さわ山さんの大福は、一度食べたら忘れられないほどインパクトが強い。
餅皮が極薄で、ほぼ餡。それなのにバランスがいい!
大福の餅皮は極薄です。想像を超えてきます。
餡は砂糖を入れ忘れたんじゃないか?というほど甘さ控えめです。
それなのに、いつまでも食べていられるほどうまい!
少ない餅生地で餡を包むのは、技術がいります。
生地が薄いと、餡が透けて、餅生地を破いてしまう場合もありますし、
普通の大福より神経を使います。
大福を触っただけで、つぶあんの感触があります。
小豆の風味が控えめ。
すっきり上品なので、ずっと食べられそうです。
また、夏場でも行けるほど、さわやかさがあります。
住所 新潟県新潟市中央区夕栄町4513
営業時間 8:00~18:00(商品がなくなり次第終了)
定休日 火曜定休(月火連休あり不定)
電話番号 025-223-1023
電車 JR線・新潟駅から 徒歩19分・車で5分 上大川前通りつきあたり
バス 本町14番町停留所より 徒歩1分
駐車場 あり 2台 (近隣に駐車スペースあり)
平日でも混み合う。路上駐車で渋滞が起きている。たまに駐禁とられるとコメントあり。
HP さわ山
伊勢屋 (神奈川県 小田原)
「日本全国にある伊勢屋の中でナンバー1。」
「手軽に買える、これぞだ餅屋の最高峰。」
「メディア紹介や受賞。数々の功績ありながらも、謙虚で真摯な姿勢が菓子に込められている」
豆大福 1ヶ 197円
小田原駅から、離れていますが、行くべきお店です。
間口は狭く、決して広い店内ではありません。
商品数も少な目ですが、
全て手作りで、
一つ一つがとっても丁寧に作られています。
値段も手ごろで、
地域に密着したお店と言う感じです。
地域に密着してますが、県外からも、来る人がいるほどの魅力があるようです。
餅菓子以外にも、いなり、赤飯などがあります。
どれも、素朴でありながらも、格別に美味しく
食品としてのクオリティーが高く、素材の風味をとても生かせていると思います。
日本には、「伊勢屋」という屋号の和菓子屋がたくさん点在しています。
すべてが「のれんわけ」ではありません。
今回紹介した「伊勢屋」は、独立したお店です。
江戸時代。江戸の町に和菓子にかかわらず 「伊勢屋」はたくさんありました。
蕎麦屋に、質屋、呉服店などもそうです。
江戸の町に多いものとして「火事 喧嘩 伊勢屋 稲荷に犬の糞」と呼ばれるほどです。
「大阪・近江・伊勢」、日本三大商人の一つに伊勢商人がいます。
数多くの伊勢商人が、江戸で町を開くときに、出身地である「伊勢」を屋号として名乗ったのです。
さらに、のれんわけした店も、「伊勢屋」と名乗るので、さらに伊勢屋で溢れかえります。
現在、伊勢屋という屋号は70%くらいが和菓子関係だそうです。
伊勢屋さんの豆大福と特徴は、
一言でいえば、「ワンランク上の昔ながらの大福。」
餡がずっしり、餅をコシがあり、塩気がちょうどいい。
当然美味しいし、食感も、バランスも全ていい。
よくある大福を買って、食べたかと思いきや、
なんか格別な美味しいさを感じると思う。
この味、どうやって出しているんだろ?
昔ながらの作り方でここまで、他店と別格の大福を表現できたのが素晴らしい。
「もち米は毎年、良質なものを選び、北海道産の赤えんどう豆、特別な塩を使って、
手作りで、昔ながらの方法で豆大福を作っています。」
和菓子屋なら、どの店でもできじゃんって思う人いると思うけど、
なかなかできないんだなーこれが。
住所 〒250-0012 神奈川県小田原市本町3-6-22
国道1号線沿い・小田原宿なりわい交流館となり。
小田原駅より徒歩10分。
予約可能
営業時間 9:00〜17:00
電話番号 0465-22-3378
定休日 木曜日
駐車場 3台有り
支払方法 クレジットカード・電子マネー可
HP 小田原※伊勢屋
いかがだったでしょうか?
近くに店舗があったなら、とってもラッキーだと思います!
皆さんのまわりにも、
「このお店に行ってほしい!」「ここがおすすめ!」などが
あったら、コメント欄によろしくお願いします!
私もいっぱい食べ歩いてますが、まだまだ知らないところがたーくさんあるので、
美味しい店があるならば、日本全国どこにでもいっちゃいます♪
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