数あるレシピの中から、見てくれて本当にありがとうございます。
今回は 鹿の子(かのこ)の 作り方を紹介します。
おそらく、当サイトで紹介しているレシピの中で 簡単×再現性 が極めて高いレシピ です。
理由は工程の異常な少なさ、和菓子屋が使っている材料の入手しやすさ などがあります。
鹿の子についての説明を交えつつ、レシピを紹介していきたいと思います♪
鹿の子とは
↓の写真が 鹿の子 と 呼ばれる和菓子です。
簡単言うと、
いろんな種類の豆を蜜で形を崩さずに煮上げたもの = 鹿の子豆。
あんこ玉や、求肥、羊羹などを芯にして、そのまわりに鹿の子豆をくっつたのが 鹿の子 と呼ばれています。
代表的な鹿の子は3~4層の構造パターンが多い。
こしあんを芯にし、大納言鹿の子豆をくっつけ、さらにそのまわりに蜜を塗って仕上げる。
店や地域によっては定義は違いますが、一般的にはこの認識で間違いないでしょう。
鹿の子 と呼ぶワケ
鹿の子とは、読んだ通り、「鹿の子供」を意味しており、菓子のモチーフとなってます。
鹿の子と呼ぶワケは、整った豆の粒が隙間なく並ぶさまが
子供の鹿の背の斑点を連想させることから来ている 。
ちなみに、繁殖期を秋にむかえる大人の鹿は 秋の季語。
生まれた鹿の子供は、夏には子供に成長なることから 夏の季語。 として使われる。
鹿の子 はいつ誕生したのか?
はっきりと記された文献はありませんが、
1700年代の江戸時代に誕生したのが有力。
江戸時代に歌舞伎役者の嵐音八の実家である、日本橋人形町のエビス屋で
売りはじめたのががきっかけで、日本全国に伝わっていったそうだ。
レシピ 3個分
大納言鹿の子豆 100g
こしあん(小豆) 36g
※ 大納言鹿の子豆は専門店、製餡所、ネットで手軽に安価に買うことが出来ます。
自宅で一から豆を煮ようとすると、めちゃくちゃ手間でコスパも悪いです。
当店でも、製餡所に特注したものを使用しています!
今回は、買ったものを使用します。
300gで500円くらいで購入できますよ♪
(つや天)※お好みですが、あった方が確実に見栄えがよい。
粉寒天 2g
水 200g
グラニュー糖 150g
作り方
1,こしあん12gの餡玉を3つ作る。
2,大納言小豆を餡玉のまわりに、くっつけて鹿の子を仕上げる。仕上がり目方45g。
転がらないように底の部分はくっつけなくてもよいです。
3、粉寒天、水を鍋にいれて加熱。
4,沸騰して寒天が溶けたら、グラニュー糖を加えて煮詰める。
5、煮詰め具合はお好みです。煮詰めるほど甘く濃くなります。
和菓子屋の目安は、木杓子で液を垂らすとぽたぽたと落ちていくうちにかたまりかける位
6、煮詰めたら、水に浮かべて人肌位まで冷ます。
7、仕上げた鹿の子に、6を全体にかかるようにする。
やり方は問いません。とにかく、全体に絡めばよい。↓↓↓
液の中に鹿の子を入れて、網杓子で掬う。(おすすめ★★★)
刷毛塗りをして絡める。
8,液が固まったら、出来上がりです♪
鹿の子 といったらこの店。
銀座 鹿乃子 (東京・銀座)
※現在は、銀座本店は閉店。銀座三越、オンライン、催事での購入ができます。
「戦後すぐに創業。鹿の子一筋の名店。」
「74年間、銀座の甘味を支え、あまりにも多くの人を魅了し、今もなお愛される」
鹿乃子は昭和21年に創業。74年以上の歴史があり、銀座の老舗和菓子店・喫茶店です。
元はかき氷と甘味を扱う甘味店「銀座 鹿之子」としてスタートしたお店です。
昭和37年に和菓子「鹿の子」が内閣総理大臣賞・農林大臣賞を受賞。
江戸時代から伝わる「鹿の子」を独自製法で、アレンジした和菓子を作り上げました。
現在、店舗は閉店したもの、現在は
銀座三越。オンライン・催事での購入が可能。今もなお、長年に渡り人気を誇っています。
鹿の子に関しては、普通の和菓子屋さんとは
確実に一線を画しています。別格です。
見た目の美しさは、豆を煮崩さない高い技術を表している。
優しい味わい・上品すぎる甘さ、最大限に生かしている豆の風味。
シンプルだけど、洗練されていて、バランスが極めて良い。
初めて、食べた時はけっこう衝撃でした。
銀座店の1階で鹿の子や和菓子を販売、2階は喫茶店になってます。
ここでは、鹿の子だけでなく、大福、あんみつ、みつ豆に鹿の子を入れて食べらるものがあります。
「銀座 鹿乃子」という店名は、実は和菓子の鹿の子の由来ではなく、
創業者が茨城県・鹿嶋の和紙問屋を経営する家の子供であったことから、
鹿嶋の子 → 鹿乃子 となりました。
2020年に銀座本店の店舗は閉店しました。
現在はデパ地下・オンラインで買うことができ、根強い人気が絶えません。
銀座鹿乃子 (東京都 銀座) (店は2020年に閉店)
↑↑クリックで公式のホームページに飛びます。
現在は、Instagramの方が情報が充実してるので、そちらをご覧ください。
現在は銀座三越地下2階で販売中 → 東京都中央区銀座4丁目6-16
和菓子屋の私も初めて食べた時は
嫉妬が出るほど、美味しい。
すげえ と思った。
何一つ、素材の風味が損なわれていない。
「独特製法と謳っているがどのようにつくっているんだ?」
いまだに、この問題は解けずにいる。
この美味しさ × 品質の素材 × 銀座の立地
を加味して考えると
値段は決して高くはない。
素朴な味わいなのに、上品で、いつまでも食べていたくなる優しい味。
あと、包装がとても可愛らしい。
なぜ閉店してしまったのかがわからない。
コロナの大打撃、銀座の異次元のテナント料、
やはり、こういうものの影響がおおきかったのか。
日本独自の和菓子そのものを高い技術で表現し、
真面目に真摯に、営んできたお店が潰れてしまうとは。
無くしてはならないものを無くしてしまったような気がする。
やるせなさを感じる。
現在は デパートや催事、オンラインでの購入が可能です!
↓↓ SNSなどで情報を発信しているので、是非ご覧になって下さい。
フォロワーの少なさに驚愕した。
インスタやっていることがあまりにも認知されていない。。。
銀座の常連客の年齢層は高いと思う。SNSを使わないのか。
和菓子屋の私が言うの何ですが、
もっと評価されるべきお店です。
そして、立ち寄って際は、一度食べてみて下さい。
私も目に入ったら、確実に買います。(笑)
本当に美味しくて、良い時間を過ごせますよ♪
コメント