毎日のように、食べる「お米のごはん」。
どうせなら、より美味しい「ごはん」食べたいですよね?
「いやいや、象さんと虎さんの炊飯器でもう十分。」
「良い米買って、研いで、炊けばだいたい同じでしょ?」
「どうせ時間かかるんじゃない?」
色んな意見があると思います。
結論
「毎日やるのは面倒くさいけど、時間があって、美味しく食べたい時はやった方がいい炊き方」
「農家が何通りも試行錯誤して、企業や職人が認めた科学的にも美味しい炊き方」
根拠となる理由
私の友人「米農家兼和菓子職人」が
毎年の出荷時の米の品質チェックに、
米の状態にあわせた「米の炊き方」を数百パターン試しています。
米友人「あっ、これは、だいたいどんな状態でも、この炊き方がうまいな。」
米友人「よし、米粉の製粉会社に提案して、科学的に分析してもらおう!」
米会社「これ、ええな!。全国の講義の時に、みんなに教えたろ」
日本料理店「この方法、採用します!」
って感じです。(笑)
なぜ、うまくなるか科学的に分析したレポートも書いていきます!
色んな炊き方の情報や、個人の好みがありますが、
私が一番美味しいと思った方法です。
「こんなやり方もあるんだー」という緩いスタンスで見て下さい。
今回は、お米についての解説と
米のスペシャリスト達が考える「美味しいお米の炊き方」について紹介します!
米の炊き方
美味しさポイント! これで美味しく炊けない人0人説
・美味しい水を吸水させること。(米と水の産地を合わすのが最高)
・炊く前に、手早く、傷つけずに米のぬかを綺麗に取りのぞくこと。
・美味しさ成分、でんぷん質を流失させない。
- 米を軟水の美味しい冷たい水で、
ボールの中で5秒~10秒で手早く優しく研ぐ。(水を全部変えて3回洗う)
水はザルなどで米を傷つけないように完全に全部変えて下さい。
米を傷つけないように、米の表面についているゴミやぬか(たんぱく質)を削り取り、
綺麗に洗い流す。
3回とも水を完全に切らずに、研ぎ汁のなかで研ぐとぬか臭さが残る。
★最初の研ぐ工程で、米が一番水を吸水する。なので水は美味しい方が絶対いい!
★手早く水を変えることにより、ぬか臭さを米に吸い込ませないようにする。
★浅いボールで研ぐと、均一に研ぎやすい。炊飯器やザルだと米が傷つきやすい。
★冬場は、静電気により、ぬかの付着が強力なので洗いを+1回多くする。
★新米の場合は、やわらかく傷つきやすいにで水を多めにして洗う。 - 米を美味しい水で20分漬ける。
★ 新米は浸さずにすぐに炊けます。(米の品種・季節・状態で変動)
★ 長くつけすぎると、でんぷん質が流失してべたつく原因となります。 - 水を切り、土鍋に米と入れ、吸水した米と同量の水を加える。
- 沸騰するまで強火にかける。
「はじめちょろちょろ」と呼ばれる段階。
★ 弱火で沸騰させると解釈できるが、加熱開始~沸騰までは短時間の方がよい。
α化したデンプン質が水中へ溶けだすのを抑えるため。 - 沸騰したら、火をふきこぼれない程度に弱めて、10分煮る。
「中パッパッ」と呼ばれる段階。沸騰させることが重要!
★ ふきこぼれると水中に溶けたデンプン、美味しさが失う。
決してふきこぼしてはならない。 - さらに火を弱めて、7分くらい煮る。
α化したデンプンは水溶性の為、水中に溶け出し、粘土が高いため、泡が保持される。
この泡が保持するのに十分な水がなくなった時に、次の「蒸らし」の工程にいく
おこげを作りたい時は、蒸らす前にいったん火を止め。強火に15~35秒火にかける。 - 火を止めて、10分間蒸らす。
「赤子泣いても蓋とるな」と呼ばれる段階。
炊き上げたら、必ず、木杓子で、すぐにほぐす。
★ 十分な蒸らしにより、米中心のデンプン質が消化吸収の良いものになる
★ 鍋の底から剥がすように、ほぐす。鍋底や米が空気に触れることにより、
余分な水分を飛ばし、味が均一に、風味を損わずに保温できます。
いかがでしょうか?
「米のとぎ方は、拝み研ぎした方がいい」
「米は氷水から、じっくりと糖を形成させて炊いた方がベスト」
「蜂蜜や昆布水をいれると美味しいよ」
様々なやり方、人それぞれだと思います。
この方法も、とってもお勧めなので、
是非一度、試してみてはいかがでしょうか?
和菓子屋さん必見。米の吸水率・コツ水の計算
メリットが多い!意外と知らない、お米の旨さと歩留まりを最大にする方法。
※ 赤飯など、固めの食感が好きな方はすこしコツ水を減らす。
和菓子屋では、ボイラーという水蒸気加熱で、もち米やうるち米を蒸します。
家庭での炊飯器や土鍋などの蒸し方とは違います。
米を最大限に吸水させ、美味しくふっくらと炊き上げる。
理論的には、米を十分吸水させた米であるなら、蒸らすことでα化できます。
しかし、浸漬させただけの水分で蒸しただけでは硬い米となり、
赤飯などは硬くて美味しくないし、搗いても米の粒子が残るので滑らかさに欠けます。
不足分の水分を補うには、コツ水が必要です。
はじめに覚えておくべき、お米の最大重量。
はじめに、米の性質を理解しておく必要があります。
うるち米は水を最大に吸水すると、
もとの重量の2~2.2倍。
もち米は1.7~2倍 になります。
製造効率・歩留まりなどを考えるとこれが理想の重量です。
米を水に漬けただけでと、もとの1.4倍。約40%吸水します。
コツ水を打たない場合、蒸気で40分蒸すと、もとの1.65倍になります。
これらは、水温・米の状態で変動しますがだいたいこの数値です。
これらを理解した上で不足分の水分(コツ水)計算しましょう。
理論上と実際のやった結果。
(理論上の計算)うるち米の場合
うるち米 1000g (水に漬ける前)
↓ 1.4倍
水漬け後 1400g
↓ 1.65倍
蒸す(40分) 1650g
(あと、450g~550g吸水可能)
↓ 最終希望 2.1倍
蒸し上がり 最終希望目方 2100g
(コツ水の計算式)
最終希望目方 ー 40分蒸した予想目方 = 吸水可能なコツ水
(実際の製造) もち米の場合
もち米 2000g (水に漬ける前)
↓ 1.42倍
水に漬けた後 2840g
↓ 1.49倍
蒸す20分後 2980g
↓ コツ水投入 900g
蒸し上がり40分後 4045g
4045g もとの2.025倍
美味しい水を吸水させて、いっぱいできて、さらに美味しく仕上がるので
メリットがいっぱい。
実際の和菓子製造で役立てたら嬉しいです。
和菓子屋さんが抑えてるポイント!上手に蒸すためのあれこれ
・蒸す米の量が多い時は、2回に分ける。
蒸し器にいっぺんに大量にいれると、火が回らない。上下の間隔をあける。
・程よく、弱い蒸気で蒸さないと、1.6倍以上にならない。
蒸気が強すぎると、底の部分だけがα化し、べたついてしまう。
・水に浸かりすぎている米を蒸すと、底の部分からべたつく。
もち米は40%以上は吸わせない。1.4倍になってから1時間漬けるのが個人的にベスト!
・砂糖を加えないで、上手に米を蒸すと、
もち米は 糖度50 うるち米は47~48になる。
美味しいと呼ばれる米は糖度が高い傾向がある。
・熱によって、水分を吸水したもち米の透明感が全体的に出てくると、表面が乾きだすので
そのときにコツ水をいれる。
・コツ水を回数が多すぎると、底の部分が軟らかく、べたつくので注意。
結合水となってからは、それ以上は軟らかくならない。
・蒸気の質が大事。最初は100℃で強く、米は反応して膨張。
そこからは、95℃以上で熟成させるとよい。
・上新粉を蒸す時は、水または熱湯で捏ねて蒸すが、どちらがよいかは、決められない。
熱湯はα化しやすく、べたつく。50℃くらいが個人的ベスト!
・砂糖を加える場合は2度蒸しした方が、しっかりと浸透し、生地も綺麗に上がる。
また、再加熱により日持ちの向上につながる。
例
半蒸し(30%蒸し) → 成形 → 冷凍可能 → 再び蒸す。
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