自宅で簡単!職人さんが教えます。和菓子屋さんのミルク饅頭の作り方。

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餡の職人が作ったとても美味しい餡です。 あんこまんもおすすめです!

基本が結局美味しいレシピ

ミルク饅頭(乳菓)という和菓子のジャンルがあるのはご存じですか?


手土産として有名な「博多とおりもん」もそれに当たるでしょう。

文字通り、乳製品がメインで乳化させて作った焼き菓子です。

この「乳化」のさせ方で仕上がりが大きく変わっていきます。


お店も研究を重ね、試行錯誤して、レシピを組み立てたりしていることでしょう。




焼き上げた菓子は口当たり、口溶けが良くて、

中身の餡と生地が一体になったかのような、

すっと口に溶けていく感じがいいです。

ヒット商品が多く、ミルク饅頭と知らずに買っている人が多いですが、

みんなにとても人気な菓子です。




材料もシンプルで自宅でもできるので是非、やってみて下さい。

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レシピ   約25ヶ分

(生地)
コンデンスミルク         130g
液卵(殻を除いた卵の量)      50g
ベーキングパウダー          4g
バター               15g
薄力粉              175g





※ 液卵の計量は卵白の量で調整してください。

全卵 →   殻の重さを含めた卵の重さ
液卵 →   殻の重さを除いた卵白と卵黄の重さ
卵黄 →   黄色の日持ちしない黄身
卵白 →   白い色の透明なたんぱく質が豊富な保存のきく液体。(混ぜるとメレンゲになる)


※ コンデンスミルク(加糖練乳)を使用してください。



※バターは有塩・無塩どちらでもかまいません。お好みで調整してください。

(バターの役割)

可塑性          →   加工しやすさ、自在に変形、細工できる。
ショートニング性     →   サクサクした食感を生み出す。
クリ―三ング性      →   ふわふわする。

※ 溶かしてしまうと、可塑性・クリ―三ング性はなくなります。





(中餡)
白並餡               750g

※ 白餡は自家製のものでも、専門店やスーパーの市販のものでも構いません。
  手作りしたい方は、白餡の作り方の記事を参考にしてみてください。

黄身餡も美味しいし、とても相性がいいですよ!

(バターが入った黄身餡とか最高に美味しい。口当たりがいいです。
 そのままでも美味しい(笑))

あんこまん
あんこまん

数ある他サイトのレシピの中から、選んで頂いて本当にありがとうございます。
このレシピは働いていた店のレシピや、既存のレシピを改良したものです。
すごい時短になったり、効率的ではないとところもあると思いますが、 それでもプロが実践していて、美味しくなる理論や科学を基に手間をかけております。
最新の情報ではないこともあるかもしれませんがご了承ください。 また、理論があっていれば、他サイトさんのレシピでもできますので、そちらでも構いません。
何より美味しい和菓子を皆さんに召し上がっていただけたら嬉しいです。

作り方

あんこまん
あんこまん

衛生上の問題から、特別な場合を除き工場に機器が持ち込み厳禁。
その為、画像や動画がないものが多く分かりにくくて、本当ごめんなさい。でも本気で解説していきます。
絶対に美味しくて、上質なものができます!

(先に準備しておくこと)

白餡は30gに切り、丸めて餡玉にしておく。(すぐに包餡できるように)

オーブンは180℃に設定しておく。微調整できるなら、上火180℃ 下火140℃ に設定。

クッキングシートを敷いた鉄板を用意。

バターは湯煎で溶かして、冷ましておく。(生地が熱いと、小麦粉と混ぜたときにグルテンが出やすい。)

  1. 液卵をホイッパーでほぐします。
    ★ ホッパーで卵のコシをきる。掬ってするすると落ちていけばOK。



  2. コンデンスミルク(練乳)を加えて混ぜる。



  3. 湯煎で溶かしたバターを2に加える。生地の温度を人肌くらいまで冷ます。
    ★ 生地の温度をあげないことで、グルテンの形成を防げる。
      (小麦粉の粘り(グルテン)は、高温での撹拌作業でおきやすい)








  4. ベーキングパウダー・薄力粉を一緒にしてふるう。
    ★ 混ぜやすくするため・異物混入防止・作業効率化。



  5. 4を3に加えて、木杓子でさっくりと切るようにして混ぜる。
    生地が軟らかめに上がるが、練乳をしようしているので締まります。
    ★ 切るように混ぜる。混ぜすぎてグルテンを出さない。




  6. 薄力粉を手粉にして、生地を15gに分割して、30gの餡玉を包む。
    形は丸腰高型、偏平型、好きな形で構いません。(形によって、火の通りに多少は影響はでる)
    ★ 生地が軟らかくて、やりづらい場合は冷蔵庫・または冷凍庫に少し入れて、締めてからやる




  7. 包んだ饅頭は、クッキングシートを敷いた鉄板に、少し間隔を空けて並べる。
    ★ 焼成時にそこまで膨張はしないので、指2本分の間隔を空ければよい。





  8. 家庭用のオーブンで180℃で16分焼く。
    ★ 包む焼き菓子の焼成時間 = 生地の重さ1gにつき1分が目安。
       全てではないが大抵当てはまります。





  9. 饅頭の底と表面の焼き色と火の通りを確認し、良かったらできあがりです。
    ★ 各々の判断によります。小麦粉に火が入ればよいので、
      がっつり焼くか、火が通ればよいか
      店ごとに分かれます。
     今回は火が通るくらいの目安です

↓下記にとてもよいコメント・質問をいただきました♪

Q 「ミルク饅頭の断面の層を滑らかにしたい」
   どうすればいい?


あんこまん
あんこまん

同じ材料、同じ環境、同じ作り方でも、作る人によって
千差万別です。また、どのような環境でつくるかにより、
仕上がりが違います。
完璧な回答ができないかもしれないので、その点はご了承下さい。

質問のミルク饅頭の外皮の断面の決めの細かくしたい。
製菓理論的にいくつか回答があります。

おっしゃる通り、グルテンは出さない方がいいです、
グルテンを利用する菓子もありますが、
今回の菓子ではデメリットが多いのでダメです。

すでにご存知かもしれませんが、書かせていただきます。


① 気泡を出さない事。
ホイッパーで撹拌し、たくさん混ぜれば空気が入り気泡が
できます。
メリットして、焼いたときに膨らむ。ボリュームがでるなどあります。
しかし、生地の目、肌理は粗くなり、火の通りも若干悪くなります。
これはカステラ、どら焼き、焼き菓子など様々な菓子作りにおいて基礎です。

なので、目を細かくしたいのであれば、泡立たない。
卵のコシだけホイッパーで切り、あとは木杓子等で泡立てないように
生地を合わせましょう。

またハンドミキサーを使うと泡立ちますが、気泡にばらつきが
ないので、見栄えはよくなります。


② 膨張剤をかえる。
ベーキングパウダーは水に反応し、加熱より、反応が加速し、縦方向に膨らみます。
加えなくても、できますが、焼き縮みを防止したり、他に利点が
あるので使用してます。
他の膨張剤より膨らみ方が弱いのですが、肌理細かくしたいのであれば
少し量を減らしましょう。
膨張剤にもガスの出方など、様々な種類があるので注意をしましょう。




③生地と餡の糖度を±5以内にする。
糖度の差があると、水分移行があり、焼き上がりに差が出ます。
断面にしたときに、餡と生地の間に隙間や空洞がある菓子は
包み方や、大きさにもよりますが、
ほとんどの場合、水分移行や糖度差がある場合が多いです。






④宵捏ねにする
生地を作ったらすぐに焼く。そのまま仕上げる方法を即ごねと言います。
それに対して、前日の夜に生地を仕込んでおくことを宵こねといいます。
長く生地を寝かすことで生地が安定し、気泡が揃うので、
キメが細かくなります。
小麦粉を入れる工程まで行いましょう。
ベーキングパウダーなどの膨張剤は水分でガスが出るものは加えて寝かしてもいいですが、
翌日に仕上げるときに加えるといいです。



以上の点を踏まえると、
なるべく泡を立てずに生地を作り、
糖度差を揃え、弱めの膨張剤を使い、
包み方は丸扁平の形にし、生地を寝かせる宵こねをすれば、
改善できる可能性があります。



参考になるか分かりませんが、この回答でご了承下さい。
これからもよろしくお願いします。







ちなみに、

重曹はベーキングパウダーよりも、膨張し、肌理は粗くなりやすく、
断面にムラもありますのでご注意ください。
ちなみにベーキングパウダーは、ガス発生剤・酸性剤・遮断材の3つの成分からできており、
ガス発生剤はほぼ100%重曹です。







私が好きな ミルク饅頭の美味しい店。

青木松風庵  (大阪)     月化粧   1ヶ  140円

公式ホームページより。

ミルク饅頭は全国的に老若男女問わず、人気の和菓子です。
あの有名な「博多とおりもん」もその部類になります。


私が特に好きなものは、青木松風庵さんの 「月化粧」 という銘菓です。

私は、本店に行って、工場を見学したことがあります。

その時に、色々感じましたよ。


そのまえに、消費者は「ミルク饅頭」という ジャンルの和菓子を知らずに買うため、その銘菓が好き!というパターンが多いです。

そこまで他と比較されないので、大量生産ができる大手が独占的になりがちです。

そして大量生産から利益主義になりがち。商売だから仕方ないですが、

消費者が知らないうちに、しれっとあまりよくない添加物を加えてたりします。

まあ 和菓子や菓子問わず、食べ物、日用品もそういう仕組みが多い世の中です。





そんな他と違う この青木松風庵さんの素晴らしい点

①単純にめちゃくちゃうまい。 
 → 個人の感想より、さっそく食べてみて下さい。(笑)
   一口食べたその口当たりだけで、製品の糖度管理や、研究を重ねていることがわかる。
 → 食べてもらう人のことを長期的に良く考えている。 



②大量生産の機械化の良いところを前面に出している
 → 職人の技量+機械化 でいつも同じ塩梅。どんな状況でも同じように仕上げるプロが常駐。
 → 高品質な材料を扱っているのに、140円。機械化でコスパが良い。


以上の点から 選ばせていただきました。

オンラインショップや、デパートでも全国的に購入もでき、

日持ちもするので、手土産にいいかと思います。


本店の工場見学も面白いので、時間がある方は是非立ち寄って見て下さい。



 

③添加物を加えていない
 → 原材料を見てみると、よくない添加物は加えられていない。
   トレハロースは自然界に存在する糖であり、それを抽出して加工した材料です。
   歴史の浅い人工甘味料ではあるが、危険性は低い。
 → 工場見学ができる。見られて不都合なことはない。透明性があり、商品に自信がある。

コメント

  1. 大石 より:

    初めまして、貴殿のミルク饅頭の作り方を拝見させて頂きました。とても良いと思います。自分もミルク饅頭の件で悩んでいます。青木松風庵さんの月化粧のようなミルク饅頭を目指しているからです。月化粧を半分に切った時の外皮の断面の細かい目が
    出なく試行錯誤の繰り返しです。ミルク饅頭の配合は、小麦粉に対して卵、上白糖、バター、コンデンスミルク、餅飴、等の%は、そんなに変わらないと思われます。
    貴殿の言われているグルテンにヒントがあるのかもしれません。お菓子つくりは、一生勉強ですね。ミルク饅頭作り方、ありがとうございます。自分は大石と言います。

    • あんこマン あんこマン より:

      数あるサイトの中から、選んでいただき本当にありがとうございます。
      また、興味をもって下さり、コメントいただき嬉しい限りです。

      質問の回答です。
      同じ材料、同じ環境、同じ作り方でも、作る人によって
      千差万別です。また、どのような環境でつくるかにより、
      仕上がりが違います。
      完璧な回答ができないかもしれないので、
      その点はご了承下さい。

      質問のミルク饅頭の外皮の断面の決めの細かくしたい。
      製菓理論的にいくつか回答があります。

      おっしゃる通り、グルテンは出さない方がいいです、
      グルテンを利用する菓子もありますが、
      今回の菓子ではデメリットが多いのでダメです。

      すでにご存知かもしれませんが、書かせていただきます。

      ① 気泡を出さない事。
      ホイッパーで撹拌し、たくさん混ぜれば空気が入り気泡が
      できます。
      メリットして、焼いたときに膨らむ。ボリュームがでるなどあります。
      しかし、生地の目、肌理は粗くなり、火の通りも若干悪くなります。
      これはカステラ、どら焼き、焼き菓子など様々な菓子作りにおいて基礎です。

      なので、目を細かくしたいのであれば、泡立たない。
      卵のコシだけホイッパーで切り、あとは木杓子等で泡立てないように
      生地を合わせましょう。

      またハンドミキサーを使うと泡立ちますが、気泡にばらつきが
      ないので、見栄えはよくなります。

      ② 膨張剤をかえる。
      ベーキングパウダーは水に反応し、加熱より、反応が加速し、縦方向に膨らみます。
      加えなくても、できますが、焼き縮みを防止したり、他に利点が
      あるので使用してます。
      他の膨張剤より膨らみ方が弱いのですが、肌理細かくしたいのであれば
      少し量を減らしましょう。
      膨張剤にもガスの出方など、様々な種類があるので注意をしましょう。

      ③生地と餡の糖度を±5以内にする。
      糖度の差があると、水分移行があり、焼き上がりに差が出ます。
      断面にしたときに、餡と生地の間に隙間や空洞がある菓子は
      包み方や、大きさにもよりますが、
      ほとんどの場合、水分移行や糖度差がある場合が多いです。

      ④宵捏ねにする。
      生地を作ったらすぐに焼く。そのまま仕上げる方法を即ごねと言います。
      それに対して、前日の夜に生地を仕込んでおくことを宵こねといいます。
      長く生地を寝かすことで生地が安定し、気泡が揃うので、
      キメが細かくなります。
      小麦粉を入れる工程まで行いましょう。
      ベーキングパウダーなどの膨張剤は水分でガスが出るものは加えて寝かしてもいいですが、翌日に仕上げるときに
      加えるといいです。

      以上の点を踏まえると、なるべく泡を立てずに生地を作り、糖度差を揃え、弱めの膨張剤を使い、
      包み方は丸扁平の形にし、生地を寝かせる宵こねをすれば、
      改善できる可能性があります。
      参考になるか分かりませんが、この回答でご了承下さい。
      これからもよろしくお願いします。

      • 大石 より:

         ミルク饅頭作り方の件、とても丁寧な説明ありがとうございます。卵は、初めにフルイでこしています。木しゃもじで薄力粉までを混ぜて宵捏ねでやってみたのですが、B・Pと重曹は、薄力粉を混ぜる前に入れてしまっているので、重曹だけを焼く前に入れてみようと思います。ちなみに、月化粧の外皮のBrix71ぐらいで餡はBrix67.5ぐらいでした。買った製品を計ったので焼成時の値とは差があると思います。月化粧のようなお菓子を作ることは出来ないと思いますが、努力はしないといけないので、もう少し続けてみます。寒い日が続きますが、コロナとか風邪などに気を付けてください。

        • あんこマン あんこマン より:

          返信とお気遣いありがとうございます。

          大石様はとても丁寧な菓子作りをされていると感じました。今まで作られてきた菓子は趣や魅力が出ていることでしょう。

          重曹はベーキングパウダーよりも、膨張し、肌理は粗くなりやすく、断面にムラもありますのでご注意ください。
          ちなみにベーキングパウダーは、ガス発生剤・酸性剤・遮断材の3つの成分からできており、ガス発生剤はほぼ100%重曹です。

          月化粧や、博多通りもんのような饅頭は生地と餡が恐ろしいほど軟らかく、生地に対して餡がとても多いです。
          これはレオンと呼ばれる包餡機を使うか職人の包餡でできる難かしさです。
          ですが、大石様のような丁寧な菓子作りをなさってきた方なら十分可能だと思います。

          私も現在、月化粧やとおりもんのような和菓子を研究しています。
          バターと乳製品の比重が多く、また包餡機がないので手包で試作を出していますが、
          生産効率が悪く、値段設定も高くなってしまいます。
          現在はたまに作って、試作品価格で販売してます。だいたい200円くらいです。

          もしうまく作れて、良いレシピが出来たら、このサイトに掲載し、お知らせしますので
          またよろしくお願いいたします。

          これからも是非、菓子作りに励んでみて下さい。
          ありがとうございました。

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