打ち菓子について解説していきたいと思います。
まず最初に結論だけ言っておきます。
結論
とてもシンプルだけど、難しい。でも楽しい。誰もやらないから他と差がつく。
塩梅の取り方は熟練の職人でも難しいです。
でもやってくうちに違いが明確にわかります。次回は確実にできるかも。
型打ちは最初、難しく感じるけど、やり出すと楽しいし、徐々にうまくなっていきます。
これにつきます。その通りになる可能性が高いです。自分もそうでした。
でも、器用な皆さんなら一発でできちゃうかもしれません。
順々に解説していきましょう。
そもそも打菓子(落雁)とは?
口の中の温度ですっと溶ける口どけと上品な甘さが堪らない打ち菓子。落雁。
落雁とは、米粉などに砂糖や液糖などを加えて混ぜ、木型に押つけて乾燥させたお菓子です。
打ち菓子、打ちものとも呼ばれます。
「打ちもの」と呼ばれる由来は、型に入れた砂糖生地を、まな板に「打ち付けるように」して取り出すことから来ています。
砂糖がメインの和菓子で、材料も作り方も極めてシンプル。
材料の質や職人の技術によって味が大きく左右します。色味や形にも影響し、高い技術とセンスが要求されるのです。
お盆のお供え物と見かけますが、お釈迦様の弟子が、お盆に僧侶達に献上したことが起源とされているようです。
砂糖がない時代には、果物が供えられていました。落雁はかなり保存がきくので、果物や蓮花に変わり、使用されるようになります。
江戸時代に落雁が茶菓子として定着し、神社へのお供えにも四季の花々やお祝い事を表した鶴、亀、鯛、松竹梅など様々な形が作られるようになりました。
地域により白餡が加えてあるところもあります。その土地の気候風土に風情を活かした色々な落雁が生まれて、
今もお供え菓子として使われています。
名前の由来
・国の軟落甘(なんらくかん)という菓子が、日本に伝わってから「落甘」と略して呼ばれるようになった。
・近江八景の一つ堅田に降りてくる雁の情景にちなんで名付けられた。
落雁の名前の由来は諸説ありますが、この2点が特に有力な説と言われています。
落雁は干菓子、和三盆?何が違うの?
まず干菓子とは、水分20%以下の和菓子のことを指します。
水分20%以下の和菓子は、落雁や金平糖、煎餅、などが干菓子の種類に分類されます。
和菓子の中に生菓子、半生菓子、干菓子があり、干菓子の中に落雁や和三盆などが属しています。
そして和三盆とは、徳島県や香川県だけの地域限定で摂れる独自の製法でサトウキビから作られている砂糖のことです。
黒砂糖をまろやかにしたような独特の風味を持ちます。
見た目は淡い黄色で、肌理細かい結晶・とても良い口溶け。
値段もとても高価で高級砂糖です。使用した菓子は献上品などに用いられます。
三盆という名称は、「盆の上で砂糖を三度研ぐ」という、昔からの伝統的な製法での精製工程に由来します。
落雁は、米や麦・豆などの粉と砂糖や水あめを混ぜて、型を押して取り出します。
対して和三盆は、砂糖の和三盆だけを型に押して固めたものになります。
和三盆そのものを固めただけのお菓子があり、それを「和三盆」と呼ぶこともあります。
糖度70以上なので日持ちする。
水分量が少ないのでその分、糖度が高い。
糖度70以上は、カビ・細菌の繁殖に必要な水がない。日持ちもする。
また、砂糖漬けにしたり、表面に砂糖がふってある状態でも繁殖がしづらくなるので長期的な保存が
できる。
日本三大銘菓って知ってる? 実は全て落雁です。
日本三大銘菓は日本三大和菓子と紹介されることもあります。同じ意味です。
明確な選定の定義はありませんが、特定の固有の優れた和菓子を指しているようです。
歴史の深い和菓子であり、当時の藩主などが銘をつけたそうです。
それぞれが超老舗ですね。
日本三大銘菓は
大和屋 の 越乃雪 (新潟県長岡市)
森八 の 長生殿 (石川県金沢市)
風流堂 の 山川 (島根県松江市)
となります。
和菓子に携わる人なら、食べたことがあるでしょう。私も食べました。
砂糖菓子なのですが、飽きの来ない上品な甘さ、じっくりと味わいを深く感じ、
それぞれが特有の良さを持ち、歴史を感じる和菓子でした。
説明しきれませんので、お店のページを
それぞれに貼っておきますので、是非見て下さい。とても深い世界です。
ちなみに三大銘菓と 間違えやすい 公式に日本三大菓子処というものもあります。
京都 、金沢 、松江 です。古くから菓子が栄えて、人々に親しまれている場所です。
ちなみに、わたしの個人的な独断と偏見まみれの勝手な日本三大和菓子が美味しいところは
北海道、長野県、新潟です。
水がとにかく美味しい。(だいたいの菓子の構成物質の大半が水分です)
気候風土が良い。(和菓子の認知が高い。その辺のおばちゃんが作る和菓子がとんでもなく美味い)
米や材料の原産地である。(材料が高品質新鮮で安く手に入る)
ことが理由として大きいです。
そして、良い職人や作り手、店が多い気がします。値段も比較的に安いです。言って食べたほういい。
前置きが長くなりました。
型さえあれば、自宅でできる打ち菓子(落雁)のレシピ、作り方を解説していきましょう。
レシピ 型に合わせたお好みの分量で
今回は着色をいたしません。一応、着色する場合も記載しておきます。
(生地1)
上白糖 200g
蜜(水1:水飴1) 15g
味甚粉 140g
味甚粉とはざっくり言うと、もち米を蒸して乾燥させた後、粉々にしたもの。
焼味甚粉(白焼の良い香り)や早味甚粉(香りは強くない)などがあるがどちらでもよい。(賞味期限半年くらい)
または
(生地2)
和三盆糖 100g
和三盆糖を使用する場合は和三盆糖のみで落雁ができます。
木型がない場合は、メルカリなどで和菓子職人が使っていた型が1000円~買えるものもありますよ。
数ある他サイトのレシピの中から、選んで頂いて本当にありがとうございます。
このレシピは働いていた店のレシピや、既存のレシピを改良したものです。
すごい時短になったり、効率的ではないとところもあると思いますが、 それでもプロが実践していて、美味しくなる理論や科学を基に手間をかけております。
最新の情報ではないこともあるかもしれませんがご了承ください。 また、理論があっていれば、他サイトさんのレシピでもできますので、そちらでも構いません。
何より美味しい和菓子を皆さんに召し上がっていただけたら嬉しいです。
作り方
衛生上の問題から、特別な場合を除き工場に機器が持ち込み厳禁。
その為、画像や動画がないものが多く分かりにくくて、本当ごめんなさい。でも本気で解説していきます。絶対に美味しくて、上質なものができます!
和三盆糖のみで作る場合は蜜で塩梅を調整した後、そのまま型打ちできます。
蜜を使用しなくても、そのまま型打ちできる場合もあります。
砂糖の乾燥具合、室温、湿度で塩梅の取り方が違ってくるので注意が必要です。
- 上白糖を器に入れて、蜜を適量加えて、手でもみ混ぜて塩梅をとる。
★ 着色する場合は蜜を加える前に行う。
練りの色素は使用せずに水溶きの色素を使用する。(混ざらないから)
①砂糖を容器内で2つ分割する。
②片方に色素をいれ、ふちにこすりつけるように着色する。
③その後に、砂糖全量に混ぜていく。
手の甲につけ色が付着してこないか混ざったか確認する。
★ 塩梅は上白糖を握ると塊になり、その塊を落とした時に、大きなひび割れが入るくらい。 - 味甚粉の半量を加え、手で揉み混ぜる。
★ 味甚粉が入ると溶けてしまうので水分を加えられない。 - 残りの味甚粉を加えて、揉み混ぜる。
★ 揉みすぎると塊になってしまうので注意。
★ 生地が塩梅良くまとまらないときは白餡を加えるという手もあるが、
肌理が粗くなる。最終手段。 - 木型に片栗粉を打ち(薄くつける事)、生地を詰める。
★ 生地は端の方から取って詰めていくこと。(端の方からぼそぼそになっていき、作業性が悪くなるから)
★ 時間の経過や何度も繰り返すと、蜜が乾き、ぼそぼそになるので手早く行う。 - 詰めたらゲンベラ(和菓子の落雁専用の道具)で押さえつける。
家庭では平たい木の板などで、押さえつければよい。 - 紙を敷いた木の板の上に取り出す。
木型を浮かして、背面を押して、取り出す。距離があると落ちたときに割れるので注意。 - 表面に軽く蒸気をあてる。当てなくても崩れなさそうな場合はやらなくてよい。(当て方は自由)
当てすぎると、味甚粉と砂糖が溶けだすので注意。
★ あてる理由は型崩れを防ぐため。10秒くらい水蒸気を落雁の表面にあてればよい
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