みんな気になる本当の和菓子屋の一日の流れや、雰囲気をありのまま話していきます。
ばれたら大変ですが、ノンフィクションでお送りします。
その点を踏まえ就職する際の注意点を解説していきます。
前回の地方修業時代編に、引き続いています!あの忍耐と絶望の時代です。
今回は都内でかなり有名なお店での働いたことを話していこうと思います。
こういう和菓子屋が存在するんだ。こういう考え方があるんだ。
職場選びで人生は大きく左右されると悟ったよ。
本当に良かった。前職との差がエグイ。
はじめに
過去の2012年~2016年の話です。
現在も繋がりがあります。特定されかねないので、店名など詳細は伏せますが
とにかく最高の職場でしたよ。和菓子屋が目指すべき姿だと思います。
和菓子へ転職する際は、こういう会社に皆さん就職できることを願います。
また、和菓子へ就職する前に必ず知っておかないと損をする記事をいくつかありますのでそちらもご覧ください。
職場の雰囲気
所在地 | 東京の都心 |
創業 | 約100年 |
従業員 | 家族経営しているが、従業員が多い。きちんとした企業 (家族親族5人 + アルバイト40名、正社員10名) 女7:男3 |
事業内容 | 和菓子の製造販売。 自社の建物で製造から販売まで全て。 |
広さ | 70坪? |
特色 | ある商品の売り上げ数が日本トップクラス。 自家製の季節の和菓子、朝生・中生・上生菓子。菓子の種類20種類くらい。 |
客層 | 男女問わず中高年が多い。比較的に中流以上の家庭が多い感じがする。 |
価格帯 | コスパが良い。予約しないと買えないものもある。 |
設備 | 餡練機3台、包餡機械、冷凍庫1機、冷蔵庫2機、巨大浄水器あり。 ショーケース3台、レジはアナログ、出入り口2か所 |
営業時間 | 朝9時~19時くらい |
定休日 | 土日祝日休み。 |
人間関係 | 経営者家族が従業員をとても大切にするので、人間関係良好です。 注意されることや良い緊張感もあります。 職場に愛があります。 |
家族経営しているとブラックになりがちですが、こちらは従業員が多く、
しかも、風通しの良い職場でした。しかも、経営者家族が従業員をとても大切に
してくれるので、不満や愚痴を言う人はほとんどないです。
この経営者の考え方や、家族経営が就職した際にもたらすことについての記事も↓にありますので
よろしかったらどうぞ。
給料明細と待遇
前職が前職ですから、ギャップがすごくて驚きましたが、
一般的な菓子店に比べてかなり好待遇でした。
そのような仕組みを作った経営者の腕が素晴らしい。
出勤日数(1か月30日と想定) | 22日 (シフト制のほぼ完全週休二日制) |
就業時間 | 8時~17時 (昼休憩60分)月残業1時間以内 |
給与 | 25万円 (社保完備、交通費全額、退職金あり、資格手当あり、厚生年金) |
賞与 | 平均3か月分 |
保険 | 社保完備、厚生年金、ほぼ完備 |
就業状態 | 正社員 |
一か月労働時間 | 170時間くらい |
休日 | 年休110日以上 有給あり。しかも消化率100% 年末年始、夏休みしっかりあります。 |
福利厚生 | 色々あって悩むくらい |
制服 | 制服は一人 上下夏冬各4着ずつ。専用のロッカーもある |
修業期間 | 4年 入社時に期間を決めている。円満退社。 |
経営者の考え方でこんなにも、職場って変わってくるんだなって思います。
好待遇の理由は、ざっくり言うと、
生産効率の良い和菓子がたくさん売れるので利益率がよい。
しかも、従業員にしっかり還元させているのが本当にすごい。
求人票通りです。むしろ、求人票より良い待遇をしてくれています。
人の出入りがないため、めったに募集することがないそうです。
たまたま、求人かけていたと時に出会えたのが奇跡です。箱根駅伝で学生連合が優勝するくらい奇跡です。
一日の流れ
8時 | 出社したらタイムカードを押す。着替える時間もきっちり勤務時間に入っています。 |
8時10分~ | 着替えた後は、製造にかかります。オープンまでに間に合わせます。 |
製造、販売、営業など部門がはっきりとわかれているので、ひとつの作業に専念できます。 各部署の橋渡し役もしっかりいるので仕事の連携がきちんととれます。 私は製造担当で、製造は数名しかいなく、少数精鋭感があります。 仕事についていけるか不安でしたが、前職でのやばいほどの仕事量を こなしてきたので、技術的な問題はそこまでなかったです。 開店までに時間がなくても、店頭に並ばせるられるのは、手作業ながらも効率良いから、 前日に仕上がり直前までに仕込みながらも、できたての最高の塩梅ですぐに仕上げられる作り方や仕事の段取りがポイントです。 わたしも朝生菓子、流し物、上生菓子、なども仕上げて店頭に渡します。 店頭に並んだのはその日のうちに売り切ります。 なので在庫をかかえることがないです。冷凍庫が少ないのもそれが理由です。 お昼まで、翌日の仕込みをします。 | |
13時 | 昼食。きっちり1時間とれます。呼び出されることもありません。 仮眠をとる人もいます。それぞれが自由に過ごします。 |
14時~ | お昼後も引き続き、翌日の仕込みをします。 |
16時~ | 掃除。けっこうしっかり掃除をします。作業台や床もきれいします。 今まで、見てきた中では、一番の衛生環境の良さです。 掃除が終わったら、その日の商品のクオリティについての反省や報告など 30分程度の簡単なミーティングがあります。 時間があまったら、自習したり、携帯をいじったり、各自自由にしています。 |
17時 | タイムカードをきっちり17時に押します。しかも、着替えてからなので すぐに退社できます。 |
17時以降 | 自由に過ごします。プライベートも充実です。 |
22時 | 就寝。しっかりと睡眠がとれます。 |
ずっと働いていたい。ずっと働いてほしい。
もう理想の相思相愛の会社でした。
普通、利益を追求すると機械化や添加物使ったり、材料費をケチるんだけど、
この会社がすごいのは、なるべく手作業で、ほぼトップクラスに良い材料も使用している。
仕事の効率化を、従業員の段取り力と、技術力でカバーしている点。
そして、経営者のマーケティング力が凄まじいこと。
それでもって、大量生産して利益を出している事。
やりがいと楽しさ
製造の技術スキルと仕事の段取り力がとにかく高いです。
気温、季節などの環境の変化にも対応し、商品を同じ塩梅で仕上げています。これはとても難しい事なんです。
まず工場長が塩梅、見た目を見て、GOサインが出します。
最後に社長が最終的チェックします。商品を目で見てミリ単位で規格内に収まっているか、他店よりかなり厳しく判断されます。
OKが出れば、無事に店頭に並びます。NGなら従業員のおやつとなります。担当者に改善指導がでます。
妥協はありません。
はじめはうまくいかなくても先輩がしっかり教えてくれます。
未経験の方でもしっかり教えてくれます。すぐ簡単にはできませんが、仕事ができないから他の雑用とかそういうことはありません。
昔の「仕事は目で見て盗め、一回で覚えろ」という精神はなく、きっちり理論的教えてくれます。
指導者がその方が効率が良い事を理解していることが良いです。
雰囲気は和やかで仲良い感じで、雑談しながら仕事をしていることもよくあります。
もちろん、失敗できない緊張感はありますが、仕事をしていてもっとうまくなりたいとか、和菓子を
作ることは、こんなにも楽しいんだと思わせてくれる会社でした。
とにかく考え方がかわった。
仕事が楽しいのは、仕事のやりがいと内容だけでなく、
ライフワークバランスが重視されていて、休みの日の充実しているということも大きい。
休みの日に友達との一生忘れられない思い出もできたし、家族も出来ました。
ただ、休みが多いだけでなく、経営者がお客様と同じくらい働く人をとても大事にする経営を
しています。なぜ、そういうことができるのか
ノウハウを学びました。いや、もっと学びたかった。
昔ながらの我慢と忍耐の薄利多売で自分の時間を削って、
お客様第一主義の経営が染みついていた私の考え方が変わりました。
それがまさか、次の店で波紋を起こすとはこの時は
まだ知る由もない。
次回の店へ続く。
まとめ
とにかく、たくさん学べて、人を大事にするような良いホワイトな会社に勤めれば、
身も心も幸せになる。
前回と同様ですが、
さらに踏み切んでいうと
次回、都内和菓子店へのヘルプ編へ
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