皆さん、こんにちわ!あんこまんです。
和菓子屋は換気扇をフル稼働にしてますが、サウナ状態の工場です。
ちょうど、あっつあっつのうぐいす餅の餅生地(求肥)を作っていたので、
「求肥の作り方を記事にしよう」とふと思いました。
求肥って何? よく聞くけど、よく知らない・・・・
知っている人も、知らない人もこの記事を見れば、求肥が美味しくなる作り方
をだいたい理解できると思います。
作れるかどうかは、経験と技がいります。
ですが、理論を知っているだけで、他のレシピサイトのものとは差が出ると思いますよ♪
そりゃそうだよね、求肥を作りまくっている和菓子屋さんが直接教えるんだから(笑)
さて、求肥とは、
簡単に言うと、
もち米由来の米粉に水+砂糖+熱を加えて練り上げた餅生地です。
ちょっと詳しく言うと、
白玉粉や餅粉を水で溶く → 加熱して練る →練りながら砂糖を加える → 好みの塩梅で練り上げた餅状のものです。
求肥の特徴は
冷めても硬くならずに、もちもちした食感が美味しい求肥は
練り切りの粘りを出すつなぎとして重要な素材であり、うぐいす餅や、羽二重餅、~餅、雪平など
いちご大福の生地にも、使われている超多様な材料・素材です!
求肥が作れると、
家でたいてい餅菓子が作れます。
もち米の餅に比べると水分と砂糖量が多いので、舌触りが良く、滑らかでやわらかいのが特徴
だがら、和菓子のプロが正しく教えます。
本当に、美味しい和菓子を正しく、知ってもらいたい。
和菓子を普及させたい。
そんな思いで生地を作っていますし、この記事も作ってます。
「だいたいね、レシピサイトのものを見ると、レンジで簡単~ とか、 時短~ とか、
まあ、できることはできると思うけど、本物を食べてる人からすると、イマイチだよね。」
美味しくなる理論や原理を知ってる人が言うなら別だけど、たいていそうじゃないよ
美味しい和菓子を食べたい、作りたいなら絶対に知っておくべきことをプロが伝えます。
電子レンジや時短家電での作り方もございます。
しかし、火の入り方や、
素材の性質を考えたら、今現在は理論上お勧めしません。本当に美味しいものは地練り。
作り方はいくつかありますが、
今回は地練りといわれる鍋でしっかりと火を入れていく方法がおすすめです。
レシピ 所要時間 20分 ~ 40 分
(倍割求肥)
白玉粉 150g
美味しい水 300g
上白糖 300g
水飴 75g
※ 水飴はなくてもOK!
水飴の仕事は、より求肥を硬くさせないこと。乾燥防止、冷凍耐性の強化です。
求肥練りでお勧めの鍋は、
丸底のぼうず鍋、サワリと言われる底が丸い熱伝導率がよい銅鍋です。
底が丸いので、木杓子やヘラがはいりやすく、焦げつかないようにできます。
また、ゴムベラやポリベラ、カードなど、軟らかい素材のもので扱いましょう。
やわらかいものには、やわらかい道具を。 (師匠が言っていました)
※ 倍割求肥とは?
白玉粉に対して、砂糖と水が倍量のことを言います。求肥の基本配合であり、美味しく安定したもの
になります。
求肥基本配合 → 白玉粉 1: 水 2 : 砂糖 2
数ある他サイトのレシピの中から、選んで頂いて本当にありがとうございます。
このレシピは働いていた店のレシピや、 既存のレシピをアレンジ改良したものです。
すごい時短になったり、効率的ではないとところもあると思いますが、 それでもプロが実践していて、美味しくなる理論や科学を基に手間をかけております。
最新の情報ではないこともあるかもしれませんがご了承ください。
また、理論があっていれば、他サイトさんのレシピでもできますので、そちらでも構いません。
何より添加物を使わず、正しくて美味しい和菓子を伝えて、作って、皆さんに召し上がっていただけたら嬉しいです。
別の方法として…
水溶きした白玉粉を蒸し、確実に熱をいれてから鍋で練る方法。 (大量生産向き)
白玉粉を同量位の水で団子状に捏ねた生地を茹でてから、鍋で練る方法。(あまり見ない)
どちらも熱の入れ方は異なるが、最終的には鍋で地練りする。
作り方
(水で溶かして練る方法)
- 白玉粉をダマにならないように一度、団子状にして手で溶かす。
★ 水で少しづつ溶かし、一度団子状にすること。一気に水で溶かそうとするとダマになる。
団子状にまとまれば、だまにならない。
水を少しだけ残して、指についた白玉液を最後に流す。
- 鍋に入れ、火にかけて練る
★ 最初は弱火で。全体的に火を入れて、木杓子で焦げないように底から練っていく。
★ 周りからカピカピになっていくので、周りの淵について求肥に濡れ布巾で水をすこしつけ、
軟らかくし、ゴムベラなどでとっていく。
カピカピにならないように練り上がるまで行う。過度に水をつけすぎると、温度を下げてしまうので注意。 - 火が入ると流動状 → 餅状 → 全体がまとまった餅状になっていき、艶が出てくるまで練る
★ ここが美味しい求肥の決め手になるといっても過言ではないポイント!
★ しっかりと熱をいれてα化させるまで砂糖を加えない。コシともちもち感を出すため
熱が不十分で砂糖を加えてしまうとコシのない求肥になってしまう。
★ 鍋底が白くなっていくと焦げる直前。木杓子で手前から向こう側にこする感じで混ぜる - 全体的に艶が出て、透明感が出たら上白糖を3回に分けて加える
★ 熱が入って、艶が出てくれば、混ぜたときに薄い膜がプクッと膨らむので、そのタイミングで
砂糖を加えよう。
★ 一度に、加えると砂糖に白玉粉の水分を取られて、バラけてしまう。しばらくすると
滑らかに戻る。熱効率を考えると3回に分け、滑らかになってから加えていくのが良い。 - 練り上がり際に水飴を加える
★ 熱をしっかりといれてください。
上がり目安はお好みですが、手の甲に瞬時につけて、付着しなかったら良いかも。
付着したら、熱いぜ(笑)。
あとは木杓子で垂らして落下速度で判断。ゆっくりと落ちるくらい。
硬い場合は水を足して、調整してください。 - 火が十分に入ったら、お好みに固さに練りあげる。
おめでとう!
この時点で、うぐいす餅、大福などの
生地に使用することができます! - 片栗粉を篩って、敷いた容器に移して、平らにし、自然冷却し固めて、出来上がり!
風に当たらないようにラップして冷蔵保存。
★ 片栗粉はしっかりと敷き詰めて、おかないと剥がすときに大変なので注意。
★ 片栗粉ない場合は、ラップなどを敷いて、生地を流し冷凍。完全に固まった冷凍状態だとゆっくりとれば剥がれますよ。
★ 求肥は真ん中に戻ってくる性質があるので、平均な厚さに流したいなら、少し真ん中を低く。
【1月5日 追記】質問ありがとうございました! 求肥を蒸して練る方法
求肥を蒸して練る方法が知りたい。
また白玉粉がない場合は餅粉でやるならどうすればいいの?
ご質問がありました。全く同じ環境でないので、完璧な回答ができるか分かりませんが、
納得いくように応えたいと思います!
求肥を蒸して練る方法。
基本的に要点ポイントは、
水で溶かしてそのまま鍋にいれて練る方法と同じです。
鍋に入れる前に、ある程度加熱するのが「蒸し練り方法です」
上記の作り方を参考にしてみてください。
蒸し練り方法は、大量生産向きです。
大量なので、最初に火が入りづらいので、手っ取り早く蒸してしまう方法です。
最終的に鍋で練るので、少量の場合は最初から鍋の方が良いかもしれません。
求肥を蒸して練る方法
- 白玉粉を水でダマがないように溶かします。
- 全体が溶けて、一体化にします。
ここでだまのないことを確認し、更に水を加えます。 - 指についた白玉粉を洗い流しながら、水を少しづつ、加えて混ぜ。
白玉粉液が、泥状になるようにする。【水の量注意!】
イメージとしては、焼く前のどら焼き生地・ホットケーキの生地の様な
ドロドロ加減です。
★ 水を加えすぎて、さらさらになりすぎると、この後の蒸す工程で
布巾からこぼれ落ちたり、火の通りが悪くなるので、うまく塩梅をとる。 - 枠に水を絞った布巾を敷き、何も入れないで空蒸しする。
← 枠に絞った晒し布巾を敷く。
※ 家庭でやる場合は、ボールや容器にいれて蒸す。十分火が入ります。
プロが布巾に流し込みます。作業性が良いのはもちろん、
ボールや容器の成分・色が生地に移ってしまうからです。 - 蒸気が入り、布巾に熱が入ったら、生地を流す。
強火で30分蒸す。(白玉粉2㎏場合)
← 白玉粉 2㎏を蒸しています。 - 蒸し終わったら、鍋に生地をいれて、加熱して艶が出るまで練っていく。
艶が出てきたら、上記の水で練る方法の4の工程から同じになります。
白玉粉がない時、餅粉で代用できるのか?どうつくればいいのか?
結論から言うと、代用は可能です。
作り方もほぼ同じOKです。家庭用ならば全く問題ないでしょう。
注意点は、水の量を気をつけて塩梅をとることです。
白玉粉の方が、翌日も硬くなりにくく、生地が伸びるので包餡もしやすいです。
作る和菓子によっては、餅粉の方がベターな場合も多いです!
餅粉も白玉粉もどちらも同じもち米からできています。
作られ方は大きく違いますが
私たちが食べているご飯の米のように品種や、生産者によって
同じ粉でも大きく特徴が異なります。
一概にどれが正解とは言えません。
なので、色々試して、どれが自分の中で「正解」といえる
のかやっていくしかないのです。
求肥のあれこれ
求肥は冷凍にとても強いです。
さらに、気候変動にも強く、多岐にわたって使用されます。
白玉粉のかわりに、別のもち粉、羽二重粉でも代用可能ですが、
白玉粉ほどのもちもち感を出すのは難しいです。
米粉のグレードにもよりますが、個人的な見解ですと、
白玉粉 → 米の風味 ○ コシ、もちもち感 ◎
羽二重粉 → 米の風味 ◎ コシ、もちもち感 △ (水分量を控えて、コシを出す)
もち粉 → 米の風味 ○ コシ、もちもち感 ○ (ダマになりにくい。ホイッパーで溶かせる)
東京~東北 → 粘りがあり、コシのあるもちを好む傾向あり
京都、関西 → やわらかいものを好む傾向あり
私の好きな、滑らかで、求肥のもちもち感がとっても美味しいお店
つるおかの菓子処 木村屋 (山形県) 古鏡 3ヶ入 594円
鶴岡近くの羽黒山の鏡池から出土された鏡の形をモチーフにした一品です。
粒あんを使用していますが、あっさりとした上品な甘みがとても美味しい!
歴史と風格を感じさせる和菓子です!
独自の製法で求肥を練りあげていると記載されていて、たいていの場合は大したことのない謳い文句だとスルーしますが、確かに食べてみるとあんまり味わったことのない感覚です!
どうしたら、こういう風になるか私にもわからないのです。(勉強中)
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