やわらかい餅の生地に、餡ときなこが絶妙にマッチ、口に中でスーッと溶けていく一体感が
堪らない和菓子です。
あくまで私の感覚ですが、うぐいす餅は和菓子屋さんの中でも、
売り上げの上位に入ることが多い様です。
「梅に鶯」と謳った様に、春の和菓子ですが、人気の為、一年中取り扱っている
和菓子屋さんも多いです。
本当はうぐいす餅ではなく、めじろ餅です。
ほとんどの和菓子屋さんでは、このようなうぐいすの形を表現し、
「うぐいす黄な粉」と呼ばれる青きな粉をまぶして、仕上げて販売しております。
実際の「ホーホケキョ」と鳴く、うぐいすという鳥は、少し緑がかった薄茶色をしております。
皆さんが、うぐいすと言っている鮮やかな緑色の鳥は、実は メジロ です。
なぜ、うぐいす餅が実際のうぐいす色ではなく、緑色になったかと言うと、
諸説ありますが、うぐいす と メジロ 間違えちゃった可能性が高いです。
同じ時期に見かける鳥なので確かに間違えるかもしれませんね。
「梅に鶯」という言葉は「梅にメジロ」と呼ぶ方が正しいのかもしれません。((笑))
あの秀吉さんの大絶賛。うぐいす餅の由来
奈良県にある「本家菊屋」さんという菓子店の初代が、その昔(1585年)に秀吉をおもてなす茶会に
うぐいす餅を献上し、絶賛した秀吉さんが「うぐいす餅」と命名した様です。
これがうぐいす餅の原型と言われております。このうぐいす餅は江戸時代には
「御城之口餅」(おしろのくちもち)という名前に変え、現在も販売されております。
青大豆のきなこを使っていますが、色は実際のうぐいすにとても近い色をしております。
レシピ
(求肥生地)
白玉粉 100g
水 150g
上白糖 125g
水飴 50g
調整水 適量
好みのきな粉 適量
焦げやすいので練る鍋は、ヘラや木杓子がまんべんなく底から撹拌・練れる鍋が良いです。
※こちらの記事にも、本物の求肥の作り方を記載されてます!良かったらどうぞ
(中餡)
小豆漉し餡 750g
水 200g
グラニュー糖 75g
数ある他サイトのレシピの中から、選んで頂いて本当にありがとうございます。 このレシピは働いていた店のレシピや、既存のレシピを改良したものです。 すごい時短になったり、効率的ではないとところもあると思いますが、 それでもプロが実践していて、美味しくなる理論や科学を基に手間をかけております。 最新の情報ではないこともあるかもしれませんがご了承ください。 また、理論があっていれば、他サイトさんのレシピでもできますので、そちらでも構いません。 何より美味しい和菓子を皆さんに召し上がっていただけたら嬉しいです
同じ求肥生地(雪平)で、ちょっと難しい、「花びら餅」のレシピも紹介しています。
こちらは、完全に、店売りのレシピをそのまま公開しています。
それでも、仕上がりは、店・作りてによって千差万別。皆さんの挑戦してみては?
作り方
衛生上の問題から、特別な場合を除き工場に機器が持ち込み厳禁。
その為、画像や動画がないものが多く分かりにくくて、本当ごめんなさい。でも本気で解説していきます。絶対に美味しくて、上質なものができます!
(中餡の作り方)
- 鍋に餡と水、グラニュー糖を加えて、できる限りの強火にかける
- 焦がさないようヘラを入れて練っていく。
★ パチパチという音がなると焦げるサインなので、火加減を調整しながら練っていく。 - 好みによりますが、並餡よりすこし軟らかめに練りあげる。糖度でいうとBrix55位。
★ 餅の生地と餡の軟らかさを揃えるイメージです。揃えると一体感が出て、口当たりが滑らかで
スーッと溶けていくような仕上がりになります。 - 火を止めて、容器にうつし、粗熱が抜けたら乾かないようにラップをして冷ます。
生地の作り方
- 鍋に白玉粉を入れ、水を徐々に加え捏ねる。
一度、団子状に全部まとめる。そして残りの水を加え溶かす。
★ 一度まとめるのはダマにならないようにするため。水を一気に加えるとダマになる。 - なるべく強く焦げないような火にかけて、底から焦がさないように練っていく。
★あまりまわりに付かないように練っていく。つくと固化していくので、濡れた布巾に水をつけて、まわりの生地に
つけて軟らかくして、ゴムベラなどでとる。 - 生地に光沢が出てきたら、上白糖1/2を加え練る。まとまったら、残りの上白糖を加える。
★ 砂糖が加える前、生地に光沢が出る前によく練ることがポイント。
十分に火が入らず、練っていないとコシが抜けた生地になってしまう。
★ 上白糖は一気に加えるとまとまらなくなるので分けて加える。 - 生地の練りあげ目安は、表現が難しいですが木杓子で掬えるくらい。
または、最後に砂糖を加えてから、5分くらい練っていれば大丈夫だと思います。
★この練りあげ目安は完全に感覚です。店によって違いますし、軟らかいと包むのが難しいです。
一度あんこを包んで比較してみないと何とも言えないです。 - 黄な粉を敷いた容器に生地を入れ、きな粉を手粉にして、生地を18g、餡30gで包む。
生地が冷めていくと、硬くなるので手早く行う。心配な人は湯煎しながら包むといいですよ。
★ 軟らかくて、包みづらかったりしたら、きな粉を揉みこむ。
作業性がよくなり、口溶けは良くなるが、コシやもちもち感がなくなるので注意。
★ 中餡はあらかじめ計量して餡玉にして準備しても良いし、
餃子を包む様に、あんこを直接ヘラで掬って、包んでも良い。 - 好みのうぐいす型にして、上からきな粉をまぶして完成。
うぐいす餅の起源である、「本家菊屋」の うぐいす餅。
本家菊屋 御城之口餅 1ヶ 125円
今回紹介した、奈良県にある「本家菊屋」さんの和菓子です。
和菓子屋であれば、誰もが知っている有名店です。本店にいかなくても、取り寄せることが可能です。
店の雰囲気や土地の風景・情緒を感じたいからは是非、お店に行ってみることをおすすめします。
当たり前ですが、和菓子も美味しく、素材のこだわり、貫く姿勢、心粋が素敵です。
あの豊臣秀吉も大絶賛する理由もわかりますよ((笑))
ちなみにお店が御城之大門を出て町人街の1軒目、お城の入口で売っているお餅から「御城之口餅」と名前がついたといわれています。
コメント